妊娠判明で試合辞退 20歳のお騒がせ女子格闘家を直撃「できれば黙って産みたかった」

「お腹にいる子に対してごめんなさいって思って『ごめんなさい』」

 そしてここからは、半ばここだけの話といった雰囲気で古瀬は次の言葉を発した。

「……言っちゃいますけど、妊娠が分かって、だいたいいつ生まれるのかが分かるじゃないですか。なのでできればそのまま黙っていて、たぶん外国人(のアム)が入ってこられないのがもっと続くと思っていて。だから(黙って赤ん坊を)産んで、そのまま決勝戦を迎えようって思っていたんです。でもある日、(関係者から)通告が来て、公にしたほうがいいと……」

 ここまで話したところで、古瀬は言葉を詰まらせた。そして意を決したように口を開いた。

「炎上覚悟で言いましたね。だから(炎上するのは)しょうがない……」

 翌6日に投稿したブログにはこんな記述がある。一部を抜粋する。

「これが人前に立つという事。分かっていたようで全然分かってなかったのかもしれないです。悪い事じゃない。と 家族や身内の方々に声を掛けてもらい、自分の中でもこれで良かったんだ、と思いこむようにしてはいますがどうしても今回の事(試合を飛ばしてしまった事)と結びつけてしまって子供を授かった事に対して誰に対してか分からない『ごめんなさい』とお腹にいる子に対してごめんなさいって思って『ごめんなさい』」(原文ママ)

 これを妊娠初期の20歳前の女子が書いたかと思うと、非常に胸が痛くなる。

「妊娠中は気分に波があるとは聞いていたんです。今思い返すとちょっとブルーになりやすかったのかなあとは思いますけど、本当にいいのかなーっていうか、(妊娠→試合辞退を)言いたくなかったなーっていうのが常にあって……」

 そもそも古瀬は強い結婚願望は持ち合わせていなかった。それでも「家庭を築きたいっていうか。若いうちに子どもが欲しいっていうのは常にありました」と話す。とはいえ20歳は早かったようで、「お母さんにそう言われました」とも話した。

「結婚したいとあんまり思ったことはなかったです。最初はびっくりしました。彼氏ができるタイプでもなかったので、彼氏ができたことにも友達はびっくりしていましたし、しかも『妊娠、結婚もしたよ』って伝えたら、それもびっくりされましたね」

 また、賛否こそあったものの、浅倉戦前後の炎上と違い、「妊娠→試合辞退」に関しては、思った以上に「否」が少なかったことも予想外だった。いや、浅倉戦にまつわる是非を問われたことで、古瀬には批判に対する「耐性」なり「免疫」ができたせいか、そこまでのバッシングを感じなかったという。

「格闘技に関わっている著名な方とかは、試合を飛ばしちゃうことに対して責任感がないとか、プロ失格とか、それはもちろん言われるんですけど、元から応援してくれていたファンの方々とかからは、意外と『おめでとう』の声が多くて。それは結構びっくりして……、あのー……、涙出ました……」

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