山本美憂、KIDさんの猛ゲキで打撃への抵抗克服 RENA戦は「女王蜂の仕事をします」

総合の経験を積み打撃は強化されている【写真:ENCOUNT編集部】
総合の経験を積み打撃は強化されている【写真:ENCOUNT編集部】

「当てちゃいけなかったかな?」打撃に抵抗 響いたKIDさんの声

 敗戦を誰よりも悔しがったのがKIDさんだった。自分以上に感情をあらわにし、「次は絶対勝てるから」と激励してくれた。

 格闘技の洗礼を受け、二人三脚で取り組んだ練習でも親身になって助言をくれた。「練習なのにこんなに強く当てちゃいけなかったかな?」。レスリング畑を歩み、打撃の経験がなかった美憂は人を殴ることに抵抗があった。

「最初は難しかったですね。バンって当たると『あ、ごめんね』っていうクセがあって、それですごい怒られていましたね。いつも、KIDには」

 実戦じゃなくても常に真剣勝負。遠慮は不要だった。「ごめんねじゃねぇ!」とのKIDさんの声が響いた。格闘技に向き合う姿勢、心構えを教えてくれた。

 5年2か月前とは何もかもが違う。総合のリングでもまれて、レスリング選手としての強みも武器として実感するようになった。

「テイクダウンもそうなんですけど、なんか頑丈なんですよね、レスラーって。当たりに強かったり、抑え込むのが強かったり、全体的に頑丈です。頑丈だけでうまく使えてなかったらもったいないので、そこをうまく使いたい。レスラーが一番強い? それはレスラーとしてのプライドですね」

 コロナ禍で外国人選手が呼べず、格闘界はマッチメークに苦慮。その中で組まれた日本人女性ファイター同士のメインイベントに気合も入る。

「本当に日本人選手の中で回している中、どれだけ魅力のある試合をみなさんに見てもらえるか。そういう試合を今回お見せできると思う。男子も女子もとにかく1戦1戦を頑張っていい試合をしていけば、人気も注目も上がる。一人一人が責任を持っていい試合をする、それだけですね」と美憂は拳を握った。

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