【週末は女子プロレス♯18】夢はAKB48から一転プロレス入り 20歳の梅咲遥が挑むディアナ10周年の大一番

リングを華やかに彩る【写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ】
リングを華やかに彩る【写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ】

入門テストは不合格…追いかけたSareeeの背中

 約2週間後の追試で梅咲は合格となり、19年3・10板橋でデビューを飾った。しかもいきなりのメインイベント登場で、梅咲はSareeeとタッグを組み、マーベラスの彩羽匠&星月芽依組と対戦。初マットから団体対抗戦の意味合いを持つカードで、ここでの20分時間切れは大健闘の部類に入るだろう。3戦目には初めてのビッグマッチ登場で、川崎市体育館を受け継ぐカルッツ川崎で決意の場所に帰ってきた。相手はPURE―Jのエース格、中森華子だった。

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 その後も順調に試合をこなしていた梅咲。ところがデビューからもうすぐ1年になろうかというころ、お姉さん的存在のSareeeが海外進出を電撃発表、日本を離れ海外に拠点を移すことになったのだ。これを聞いた梅咲はショックを受けた。「正直、プロレス辞めようかなと思ったこともあります……」

 Sareeeはディアナ旗揚げ戦当時15歳。里村明衣子とのシングルでデビューという破格のマッチメークで将来を嘱望されていた。彼女の打たれ強さはベテランとの闘いで培われていったもの。ディアナ頂点王座のWWWD世界シングル王座には、京子やアジャコングに何度も何度も叩きのめされた末にたどり着いた。その経験をじかに聞いてきたのが梅咲だ。精神的な部分に加え、技術的な部分ではSareeeの力強さを最も象徴するエルボーを指導された。それだけに、支えがいなくなることが不安だった。

 新型コロナウイルス禍により、Sareeeの渡米が伸びた。「このまま日本にいてくれたらなあ……」との考えが脳裏をよぎったこともある。が、「Sareeeさんの決めた道なんだから海外で頑張ってほしい」と気持ちを切り替えた。実際に「自分ももっともっと頑張っていこう」と思えたのは、20年8・30新木場で伊藤&渡辺智子組を破りWWWD世界タッグ王座を奪取してからだ(パートナーは高瀬みゆき)。王者としての責任感が芽生えたのである。

 タッグのベルトは2AWの笹村あやめ&進垣リナ組に奪われるも、今年4・18川崎で奪回。その3日後、SARRAYがWWE・NXTでデビューした。現在も梅咲&高瀬組は王者チームである。しかし、高瀬が腕の負傷で欠場中。防衛戦は高瀬の復帰待ちとなるのだろう。

 タッグ王者の1人として迎えるディアナ10周年記念の10・10後楽園。メインでは京子&神取忍&アジャ&井上貴子組VS梅咲&笹村&進垣&三浦亜美組という8人タッグマッチが組まれている。これはレジェンドVS若手の図式で、60分3本勝負。梅咲にとって8人タッグ、3本勝負とも初めての試合形式とのことで、常識的に考えれば異様なほどキャリア差のあるレジェンド軍の圧勝になりそうなものだが、ここは若手軍の奮起を期待してのマッチメークと考えるべきだろう。

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