【ズバリ!近況】家族愛の歌「home」ヒットさせた木山裕策さんはシェアオフィス通いの日々

脱サラしたが、今はシェアオフィス通いの生真面目な木山さん
脱サラしたが、今はシェアオフィス通いの生真面目な木山さん

甲状腺がんは克服した!

 ひとつは、これまでもやってきたのですが、子供たちに、なんで39歳で歌手になろうと思ったのか、僕のこれまでの人生に歌を交えてお話したい。それから、がん経験者としても話をしていきたい。たとえば、2月4日は「世界対がんデー」でして、がんとの共生社会を目指す「ネクストリボン2020」の活動に参加し、今年もトークをして歌を歌います。僕はがんになって考え方が変わり、「自分の子供たちに声を残したい」と歌手になって人生が変わりました。がんになっても明日に希望をもって生きよう、というメッセージを発信したい。

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 ちなみに、僕が発症した甲状腺乳頭がんは予後の良いがんということもあって、甲状腺を半分摘出の手術をしてから10年以上、再発もなく過ぎることができました。もう、こまめな定期健診や服薬もしていませんが元気です!

絵本、歌作り…活動の領域を広げたい

 新しく始めたいこととしては、同世代の管理職の会社員の方にも話をしたい。僕は歌手をしながら広告会社やゲーム会社で15年以上管理職をやってきたので、その経験が生かせれば、と思っています。それから、50~60年代の名曲や、僕の心の奥にずっと流れている童謡も歌い継いでいきたくて、そうした歌を高齢者対象のコンサートで歌い、かつ、みなさんと一緒に歌いたい。

 そのほかに、切り絵の趣味と、昔、目指していた脚本家の夢を合わせて子育ての絵本を作りたいとか、自分の歌を作るとか、活動の領域を広げていきたいですね。これまでは会社勤めがあって平日は活動できなかったので、これからは、いつかやろうと思ってたことをぞんぶんにやっていきたい、と思っています。何から芽が出るか。今は種まきの時期ですね。

シェアオフィスに出勤する生活に

 長年、会社勤めをしていたせいで、フリーになっても家にいたらダメだと、会社を辞めた次の日に、池袋のシェアオフィスを月1万5000円で借りて通勤しています(笑)。周りの人は僕だと気づいていないと思いますよ。9時半出勤で、何もなければ18時にあがります。何をいつまでにやるか、というタスク表を作ったりもして……マジメな会社員の習慣が抜けません(笑)。制作は得意なので、ホームページもチラシも自分で作っていますよ。

 妻や子供たちには“51歳になって働き方を変える理由”を説明し、応援してもらっています。2歳年下の妻は公共施設に勤務していて顔が広く、ちょっとした営業マンになってくれています。僕、歌手をしながら6回も転職しているので、子供たちは「また!?」と、僕が仕事を変えることに慣れているみたい(笑)。長男はもう23歳で会社員をしていますが、僕と似て音楽や映画が好きで、僕が新しく始めたユーチューブを手伝ってギターを弾いたりしてくれているんですよ。

□木山裕策(きやま・ゆうさく)1968年10月3日、大阪市生まれ。大阪外国語大学外国語学部(現・大阪大学外国語学部)卒業後、脚本家を目指して1993年上京したが、27歳で結婚し、28歳でリクルートメディアコミュニケーションズ(現・リクルートコミュニケーションズ)に就職した。2004年、甲状腺乳頭がん発覚・治療を機に歌手を目指し、2007年、オーディション番組に挑戦。翌2008年、「home」(avex/tearbridge records)で歌手デビューし、同年末のNHK紅白歌合戦に出場した。2019年12月、ユーチューブで「マジウタちゃんねる」開設。

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