ミスDJ千倉真理さんの素顔 夫亡くし2人の子を育て「毎日を楽しむお母さん」

絵本プロデューサーについて語る千倉真理さん【写真:荒川祐史】
絵本プロデューサーについて語る千倉真理さん【写真:荒川祐史】

「リスナーさんは『卒業がないからずっとやってられるね』と冗談で言います」

 だが、文化放送では89年4月まで、いくつもの番組に出演した。大学卒業時には進路をどう考えていたのか。

「普通に企業に就職するつもりでいました。タレントになるつもりはなく、今まで1度も芸能事務所に所属したことはないです。ただ、この仕事を続けようと思わないほうがいいよ、と言っていた文化放送の人たちが、卒業後の数年はモラトリアムと考えて、ということで、番組をいくつかいただき、いろいろな人に会って勉強させてもらいました。20代の頃は雑誌作りにも興味があり、原稿を書く仕事や、インタビューの仕事がきました。すごく刺激を受けました。結局、就職活動をせず忙しく過ごした20代でした」

 その後、91年に外務省に勤める男性と結婚した。夫の海外勤務に付き添って海外で暮らした。だが2009年、千倉さんが47歳、夫が58歳のときに亡くなった。

「その数年前から、最後に住んだフランスで見つけた絵本を翻訳出版する仕事を始めていまして、そのときは岸恵子さんに翻訳をお願いした絵本が増刷に次ぐ増刷になっていまして、仕事が背中を押してくれました。出版の世界が面白くなっていました」

 実家は千倉書房。千倉さんは千倉書房の編集担当の取締役を務め、絵本のプロデューサーでもある。プレゼントにも使える大人が読む絵本だ。認知症になった奥さんに愛を贈るカンガルー夫婦の絵本では、さだまさしが翻訳をしている。会社が忙しくなり、その勢いのまま時が過ぎ、ミスDJ復活の話がきたという。

「リスナーさんは『卒業がないからずっとやってられるね』と冗談で言います。勢いできています(笑)。あくまでも私がリスナーさんと楽しみながらやっている番組。今も昔もリスナーさんとお友達。ラジオって、会ったことのない人でも実は分かり合っている、つながっている感じがします。今回もそう。同窓会で言うと約30年ぶりにやったけど心は、よりつながっているような感じがします」

次のページへ (3/4) 絵本プロデューサーの顔も「みんなラジオでつながっている気がします」
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