【週末は女子プロレス#10】植松寿絵、GAEA復活出場の真相 一度固辞も同期説得で決断

限定復帰に「なんだかんだ(GAEAISMに)出て良かったですよ」

 男子団体ZERO1をはじめ、数多くの団体に参戦した植松。次第に「植松を呼んでおけば大丈夫」というイメージが業界に浸透していく。GAEA、全女崩壊後の女子プロ冬の時代は、フリー全盛時代でもあった。フリー選手があふれ、選手の自主興行が乱立した。しかし植松は“フリーの勝ち組”として年間120試合以上をこなし独走状態。真の意味でフリーとして活躍したのは、下田美馬&三田英津子の猛武闘賊(ラス・カチョーラス・オリエンタレス)以来だろう。彼女が成功を得たのは、団体が望む役割をその通りに果たしてきたから。それはもちろん試合内容でもあり、リング外では選手の意識を高める作業もあった。試合では輝と合流し、いくつものタッグ王座を奪取した。と同時に、多くの後輩を指導。その成果は、現在の女子プロ界にしっかりと受け継がれている。

 一年間の引退ロードを完走し、植松はWAVE所属として現役生活に別れを告げた。家庭の事情で地元に帰ったため、肉体的にプロレスができないわけでも、また未練がないわけでもない。実際、引退後は仕事に就きながらも「なんでこんなことしなければならないの?」と思うときもあった。が、スポーツの道を見つけてからは落ち着きを取り戻したという。

「ジムでお客さんから身体の相談をされたり、自分が受け持つレッスンにお客さんが参加して楽しんでくれる。今はとても充実していますね。先日、GAEAISMに自信を持って参戦できたのも、ジムで働いていて身体の基礎ができているから。身体の使い方とかケアの仕方、そういう知識は現役時よりもむしろ今の方が(専門の勉強をして)心得ていますからね。だからといって、もう試合は無理ですよ。あの1試合だけだからできた。ホントしんどい、無理だから(笑)。100%頑張ってあれだから、あれ以上は見せられないですよ。もしかしたらコスチューム着て顔面ウォッシュとかサプライズみたいなのはあるかもしれないけど、対戦カードには入らない! もう一般人ですからね。といっても、なんだかんだ(GAEAISMに)出て良かったですよ。会場に来てくれたファンにホント、ありがとうって思ったから」

次のページへ (4/4) 【写真】顔面ウォッシュで場内を沸かせる植松寿絵
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