【週末は女子プロレス#10】植松寿絵、GAEA復活出場の真相 一度固辞も同期説得で決断

1995年4月15日、長与千種率いるGAEA JAPAN旗揚げ戦でデビュー、2012年4月30日にWAVEで引退した植松寿絵が、解散から15年の時を経て決定したGAEA旗揚げ25周年記念イベント「GAEAISM」で限定復帰。大会は新型コロナウイルス禍で1年延期となり、今年6月13日に東京・大田区総合体育館でようやく実現したのだが、植松はムーンサルトプレスも繰り出すなど現役時代と変わらぬ動きを披露。現役に囲まれた6人タッグマッチ(長与&KAORU&広田さくら組VS里村明衣子&永島千佳世&植松組)で違和感なく闘い、見事に役目を全うした。

地元・静岡でスポーツジムのインストラクターとして働いている植松寿絵【写真提供:植松寿絵】
地元・静岡でスポーツジムのインストラクターとして働いている植松寿絵【写真提供:植松寿絵】

GAEA旗揚げ25周年記念イベント「GAEAISM」で限定復帰した植松寿絵

 1995年4月15日、長与千種率いるGAEA JAPAN旗揚げ戦でデビュー、2012年4月30日にWAVEで引退した植松寿絵が、解散から15年の時を経て決定したGAEA旗揚げ25周年記念イベント「GAEAISM」で限定復帰。大会は新型コロナウイルス禍で1年延期となり、今年6月13日に東京・大田区総合体育館でようやく実現したのだが、植松はムーンサルトプレスも繰り出すなど現役時代と変わらぬ動きを披露。現役に囲まれた6人タッグマッチ(長与&KAORU&広田さくら組VS里村明衣子&永島千佳世&植松組)で違和感なく闘い、見事に役目を全うした。

 リングを降りて久しい植松に参戦オファーが届いたのは、19年後半のことだった。当初は旗揚げからちょうど四半世紀となる20年4月15日、ところも同じ後楽園ホールでの開催が予定されていた。が、植松は参戦依頼を聞いたすぐあとに断りを申し出た。それは、現役選手へのリスペクトからだったという。

「自分が現役時代にどれだけ大変だったか分かってるし、今の時代のプロレスを尊重したいんですね。引退した私が(現役選手と)同じリングに上がるのが申し訳ないので、真っ先にお断りしました」

 引退後、リングに上がったことがないわけではない。KAORU復帰戦やHIRO’e引退試合など、特別な思い入れのある選手の特別なイベントには参加した。が、今回に関しては「本格的な試合」が求められた。それは、現役時代と遜色ないパフォーマンスを要求されていることを意味していたと言っていい。

 ただし、「全員参加なら」考える余地はあった。しかしながらスケジュールや諸事情により、GAEAに関係した選手や植松を含むOGの全員参加は不可能。そんなとき、植松は同期・里村からのラインを受け取った。

「里村は前向きに考えていた。安易な考えをする子じゃないっていうのはみんな分かってると思います。そんな里村から説得があり、やってやろうと思いました。これが一番の決め手ですね」

次のページへ (2/4) リング内に足を踏み入れ「なんか召喚されているような気分でしたね」
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