窪塚愛流、俳優仲間とは「群れない」 “孤高”を選ぶストイックな素顔「憧れたら超えられない」
俳優の窪塚愛流が、アーティスト・俳優のあのが主演を務める6月5日放送スタートのテレビ東京系連続ドラマ『わたしの相殺日記』(金曜深夜0時52分)に出演する。あの演じる主人公の弟を演じた感想や、自身が考える俳優としての現在地について聞いた。

あの演じる主人公の弟で「真面目な役」を経験
俳優の窪塚愛流が、アーティスト・俳優のあのが主演を務める6月5日放送スタートのテレビ東京系連続ドラマ『わたしの相殺日記』(金曜深夜0時52分)に出演する。あの演じる主人公の弟を演じた感想や、自身が考える俳優としての現在地について聞いた。(取材・文=小田智史)
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『わたしの相殺日記』は、『孤独のグルメ』の脚本を担当するチームが手掛ける完全オリジナルストーリー。自己流の相殺術によって、先行き不透明な世の中を自由に生きようとするマイペースな主人公・桜庭萌をあの、萌とは正反対と言える冷静沈着な性格の弟・桜庭律を窪塚が演じる。
ある日突然、仕事を辞めた萌が自分の家に転がり込んでくるが、それでも家賃の9割を負担するなど、姉への愛が垣間見え、萌のよき理解者であり大きな存在の律。弟だからこその愛のある突っ込みシーンなど、きょうだいのほのぼのとしたやり取りが見どころとなる。
窪塚は演じた律について、「僕にはない面がたくさんあって、真逆な人間」と表現する。
「いわゆる真面目な役は経験がなかったので新鮮でした。真面目の中に機転があるのが律です。アメとムチで言うと、完全にムチ。でも、その厳しさの一つひとつが実はお姉ちゃんへの愛情だというところが皆さんに伝わるとうれしいです。“ツン愛”みたいな感じです」
きょうだいとして共演したあのはどのように見えていたのか。敢えて事前情報は頭に入れなかったと明かす。
「あのさんのパーソナリティーをたくさん知ってしまうとそこに意識が向いてしまって、お姉ちゃんとして見れないと思っていたので、“あのさんが演じているお姉ちゃん”ではなく、“お姉ちゃん”として見ていました。なので、撮影中の深いエピソードはないんです(苦笑)。でも、だからこそ演じられたのかなと思いますし、あのさんは僕のことを弟として、役としてちゃんと見てくださったのでとても演じやすかったです。現場にはユーモアがあって、より家族としての距離も縮まる形になって、皆さんが雰囲気作りをしてくださったことに感謝しています」
姉という存在には、実はひそかに憧れを抱いていたという。
「僕には妹がいてすごくかわいいんですが、小さいころからずっとお姉ちゃんが欲しかったので、念願がかなった感じがしました」

20歳を超えて物の見方に変化
「今を幸せに生きる」をモットーに、あえて定職に就かず、暴飲暴食、夜遊び、朝寝坊、爆買いなど、後先考えず欲望のままに日々を謳歌(おうか)する萌。その根底には、経理上の相殺処理に着想を得た「自己流相殺術」があるが、窪塚が“相殺したい”と思う出来事は――。
「食べ物をきれいに食べることが苦手なんです(苦笑)。お気に入りの服とか白Tシャツを着た日に限って服を汚してしまうので、全部なかったことにしたいです」
自身で分析する窪塚愛流は、普段「落ち着きがない」性格だという。
「律はゆっくりお茶を飲んでパソコンを触っていますが、僕はパソコンで作業していてもじっとできないかもしれません(笑)。無意識に全部気になってしまう。裏を返せばいろんなことに興味を持っているということかもしれませんが(笑)」
本格的に俳優活動を開始して5年。俳優としての現在地を尋ねると、「僕はまだ振り返れる段階じゃないです」と冷静に現状を受け止める。
「まだ落ち着いてはダメだと思ってます。だから、その質問にふさわしい人間になって、『今は~』と語れるようになりたいです」
現在22歳。20歳を超えて、物の見方が「変わった」と話す。
「毎日をどれだけ楽しんで生きられるか。後悔は残さない。あとは、何があっても全部受け入れて、あまり落ち込まないようにしました。落ち込んでも仕方がないし、やるしかないから頑張ろうという気持ちになりました」
そう感じるようになった背景には、2024年9月の初舞台作『ボクの穴、彼の穴。W』での経験があるという。
「自分の考え方次第でどうにでもなってしまうと、舞台を経て思いました。どれだけ周りの方が手を差し伸べてくださっても、結局変わらないといけないのは自分であって。自分が変わらないと何も変えられないから、頑張るしかないなって。そう思うようになったきっかけは、すごく悔しい気持ちになってからです。楽しんでいる時は浮かんでこないことも、自分に腹が立ってる時こそ自分の生き方とか物の考え方が芽生えたり、気付きがある感じです」

「現実離れした役柄」に興味
窪塚の中では、「かっこいいなと思う俳優」はいる一方で、「憧れの俳優」は作らないようにしていると明かす。
「『憧れたら超えられない』と思って、憧れるのをやめたんです。(MLBドジャースの)大谷翔平さんの発言(2023年のWBC決勝前に『憧れるのをやめましょう』とチームメイトを鼓舞)を聞いて、まさにそれだなと思いました」
俳優として心がけていることは、「群れない」。それも自身の成長を考えてのことだ。
「俳優仲間でワイワイするのはあまり好きではなくて、頻繁に会ったりもしません。どれだけ仲が良くても、自分的に(俳優として)ライバルだなと思っている人とはあまりプライベートで遊ばないようにしています。役で向かい合いたいです。今後は、たとえばやんちゃな役とか、現実離れした役柄を演じてみたいです」
少年のような心と、ストイックな向上心を兼ね備えた窪塚の進化はまだまだこれからだ。
□窪塚愛流(くぼづか・あいる)2003年10月3日、神奈川県出身。18年に映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビューし、21年から本格的に俳優活動を開始。24年には映画『ハピネス』で初主演、同年に初舞台となる『ボクの穴、彼の穴。W』も経験した。近年の出演にTBS系連続ドラマ『御上先生』(25年)、NHK夜ドラ『あおぞらビール』(25年)、テレビ東京系連続ドラマ『るなしい』(26年、放送中)など。今年5月には自身初の個展「MeMonsters」を開催した。
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