94歳の石井ふく子さんを動かすパワーの源「負けてたまるか」 忘れられぬ戦争中の出来事

TBS系「渡る世間は鬼ばかり」をはじめ、1968~72年にかけて放送された「肝っ玉かあさん」、70~75年「ありがとう」など数えきれないほどのヒットドラマを世に送り出してきたTBSの石井ふく子プロデューサー。4月4日に家族のような存在だった脚本家・橋田寿賀子さんを亡くしたが、前向きにパワフルに仕事をこなす。94歳、現役。パワーの秘密、生きる上でのこだわりを聞いた。(取材・文=中野由喜)

パワーの秘密を明かす石井ふく子さん 【写真:(C)TBS】
パワーの秘密を明かす石井ふく子さん 【写真:(C)TBS】

転倒してけが、2月下旬から3月にかけて2週間入院

 TBS系「渡る世間は鬼ばかり」をはじめ、1968~72年にかけて放送された「肝っ玉かあさん」、70~75年「ありがとう」など数えきれないほどのヒットドラマを世に送り出してきたTBSの石井ふく子プロデューサー。4月4日に家族のような存在だった脚本家・橋田寿賀子さんを亡くしたが、前向きにパワフルに仕事をこなす。94歳、現役。パワーの秘密、生きる上でのこだわりを聞いた。(取材・文=中野由喜)

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「今、こうだからしょうがないね、ということは嫌なんです。仕方がないということは、ないんじゃないかと、自分勝手ですが思っています。私にできることは前に向かってやっていきたいなと思っています。私がいつも思っていることは『焦るな、怒るな、あきらめるな』」

 健康のために日頃は「何もやっていません」と笑い、月に1回、病院で健康チェックを行い、リハビリ(軽い運動)をやっている程度と紹介した。コロナ禍による運動不足解消のため、自宅の廊下を行ったり来たり。ただ、思わぬハプニングがあったことを明かした。

「2月でした。廊下で滑って転んで、右ひざをけがしてしまいました。骨には異常がなかったのですが、外へはあまり出歩いてはいけない状況に。でも、こういう状態だから仕事ができないというのは嫌なんです。なので、演出する作品の舞台稽古にも行きました。歩けないことはないのですが、また転んだら怖いので用心して歩行器で歩いています。実は転んだ2月から3月にかけて2週間入院しました。転倒した際に頭の近くも打ったのでレントゲンなど検査のためにです。でも頭の中は大丈夫でした」

次のページへ (2/2) 命を失いかけた10代の戦争体験、本来なら自分が犠牲になっていた
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