俳優・原沢侑高、どん底から這い上がった兄・原沢久喜は誇り「一番かっこいいアニキ」

銭湯で送ったエール「落ち着いてやれば絶対勝てるから」に兄は…

 五輪メダリストとは思えない、ボロボロの日々。侑高は長年、一家の責任を背負ってきた久喜の気持ちと照らし合わせた。

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「アニキは小さいころから全部背負っていた。本来の自分じゃない。母子家庭で育って、我慢して、長男だからという我慢を勝手にしていた。その強さが今につながるんですけど、1人じゃないんだから、ボクらのこと頼ってもいいんだよって。みんなで背負ってるから大丈夫。1人で背負ってないでよって言いたくて」

 何でも1人で闘おうとする兄を少し楽にさせてあげたい。そんな気持ちで兄に接するうちに、兄弟の距離間は今まで以上に縮まっていった。

 オーバートレーニング症候群を含めた試練を乗り越え、五輪代表をつかんだ兄を、侑高は誇りに思っている。

「クサいこと言うと、人生の師ですね。アニキの生きざまもそう。そういう存在です。特に教わったことはないんですけど、背中で教えてもらっている」

 柔道と俳優、分野は異なるものの、大きな夢を追いかけているのは侑高も同じ。俳優としての目標は作品の中で存在感を保てるようになること。そして、知名度で兄と肩を並べることだ。「原沢久喜の弟じゃなくて、原沢侑高としてちゃんとアニキと並びたい」と言い切った。

 先日も兄弟で銭湯に行った。侑高は「落ち着いてやれば絶対勝てるから」と言った。久喜も「分かった」と静かに反応した。

「JRA辞めてそこから復活したっていうのが、ボクの中では一番、尊敬というか、かっこいいアニキ。そこを乗り越えたわけだから」。兄弟、家族の絆は固く結ばれた。高校時代、応援団をやっていた侑高は全力で兄を応援する。

□原沢侑高(はらさわ・ゆたか)1996年12月17日、山口県下関市出身。浅井企画所属。映画「タロウのバカ」(2019)、「コンフィデンスマン JP プリンセス編」(20)など多数出演。スズキ自動車「EVERY」CM出演中。特技は柔道2段のほか、野球、水泳、詩吟など。足のサイズは30センチ。

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