【ズバリ!近況】“ミスター・アマチュア野球”杉浦正則はニッセイで法人営業部長「野球の方が楽だった」

東京五輪が開幕し、28日には野球のオープニングラウンドがスタートする。楽しみにしている野球ファンは多いだろう。五輪野球といえば、1992年のバルセロナからアトランタ、シドニーと3大会連続で出場した日本生命の杉浦正則さん(53)の印象が強い。当初、プロ野球選手は五輪に出場できなかったため、プロへの誘いを断り続け、“ミスター・アマチュア野球”と呼ばれた。シドニーでは日本選手団の主将も務めた。そんな杉浦さんに東京五輪の野球への期待と、杉浦さん自身の近況を、東京都内の日本生命日比谷ビルの会議室で聞いた。

“ミスター・アマチュア野球”杉浦正則さん【写真:ショーン】
“ミスター・アマチュア野球”杉浦正則さん【写真:ショーン】

五輪ではタフなハートを持った選手が活躍できる

 東京五輪が開幕し、28日には野球のオープニングラウンドがスタートする。楽しみにしている野球ファンは多いだろう。五輪野球といえば、1992年のバルセロナからアトランタ、シドニーと3大会連続で出場した日本生命の杉浦正則さん(53)の印象が強い。当初、プロ野球選手は五輪に出場できなかったため、プロへの誘いを断り続け、“ミスター・アマチュア野球”と呼ばれた。シドニーでは日本選手団の主将も務めた。そんな杉浦さんに東京五輪の野球への期待と、杉浦さん自身の近況を、東京都内の日本生命日比谷ビルの会議室で聞いた。(取材・構成=中野裕子)

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 日本は公開競技時代のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得して以来、1度も金を取れていません。今回は地元開催ですし、ぜひ金を取ってほしいですね。五輪野球はプロ野球とは戦い方が全然違います。プロ野球のシーズンは長期戦で勝率を争う戦いですが、五輪は短期決戦な上、勝率の争いではないので。地元開催でプレッシャーはすごいと思いますが、1人ではなく全員で日の丸を背負えばいいので、選手には後悔のないようにやってほしいですね。観戦している皆さんには、ぜひ選手らに期待をかけてあげてほしい。期待の力は大きいですから。

 日本はもちろん勝てる力を持っています。ただ、五輪は日本のデータ野球にはない想定外のことが起こります。たとえば、ツーベースヒットの当たりだと思ってセカンドに返球したら、キューバの選手は隙を突いて貪欲にサードまで走っていたりします。そういう戸惑いを感じることが、たくさん起こるんです。すぐに対応できればいいのですが、一流選手といえどもゲームに集中できなくなる選手もいるでしょう。五輪では動じず、「普段とは違うんだ」と切り替えられる、タフなハートを持った選手が活躍できると思います。

 野球は全員で1点を取りに行くスポーツだし、失敗の多いスポーツでもあります。だから、他の選手の失敗はオレが何とかする、というような心のつながりも勝利を導くと思います。ベンチには選手24人とスタッフしか入れないので、選手には普段は自分がやらなくていいこともやる――例えば、炎天下でプレーしているので、表裏がチェンジするときに出塁していた外野手にグローブを持って行ってあげるとか、そんなベンチワークにも留意してほしい。最年長で影響力のある田中将大投手(32)が率先して引っ張ってくれれば、チーム全体がいい雰囲気になるでしょう。

 私自身の五輪への関わりは、故郷・和歌山で聖火ランナーをやらせていただいたことと、7月8日にプロ野球オリックス―楽天戦で始球式を務めさせていただいたこと。メディアの取材も増えました。だから、プロ野球もテレビでよく見るようになりました。五輪が楽しみです。

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