【週末は女子プロレス♯4】コロナ禍で奮闘する社長レスラー プロレスリングwave桜花由美

悩んだプロレス界初の陽性者の発表

 waveは宮崎にコロナウイルスの陽性反応が出たことを発表。プロレス界では第一号だっただけに衝撃が走った。当時はまだ前例がなかっただけに、桜花の苦労も大変なものだった。

「一番最初に発表したのがウチでしたからね。選手には家にいるようにしてもらってたので、宮崎さんもどうして感染してしまったのか分からない。でも、陽性となったからには発表しようと。いまでこそ、そういった例はありますけど、あのときは決断に悩みました」

 不幸中の幸いか、あれ以来、waveから陽性反応者は出ていない。大会は条件付きで開催できており、もちろん細心の注意を払って試合を行っている。

「いまはまだ、お客さんも声を出して応援できない状態ですけど、コミカルな試合でつい笑い声が漏れてしまったり、そこには手応えを感じています。ふつうに開催されるようになったら全国制覇に向けてやっていきたいし、最後に笑って帰れる、感想を語り合える大会をやっていきたいですね。おもしろいと思ってもらえる、すっきりして帰ってもらえる大会です。たまにはモヤッとした状態で帰ることもあるかもしれないけど、それはそれで次の大会でこうだったんだと納得できたり。また、初めて見た人でも楽しめるような試合をしていきたいです。一話完結であったり、続き物であったり。ひとつの興行が映画、2時間ドラマ的なものにしていきたいですね」

 映画、ドラマと言えば、桜花はアストレスというアクション女優プロジェクトからプロレスラーに転向した。現在、女子プロレスに関しては、舞台女優やアイドルグループからの転身組がある意味、主流にもなっている。その先駆けが、桜花を生んだアストレスでもあったのだ。では、桜花自身は現在のそういった傾向をどう考えているのだろうか。

「私はそういうの嫌いじゃないです。むしろ私がそっちの方から入ってるし、最初の頃はバカにされてましたからね。そんなにバカにされるんだったら一生懸命やって見返してやろうと思い、そしたらプロレスにどっぷりハマり、20年もやってるんですけど(笑)。やっぱり、ただ名前売りたいだけの子は早々とやめていきますよ。でも、一生懸命にやっている子って、どんどん強くなったり、どんどん輝いていくんですよ。だから私は、そういう子たちを見極めようと思って、ウチでもアクトレス(ガールズ)の子も使ってる。他団体を見に行ってセレクトして、この子はプロレスに本気に向き合っているなと思ったら、ウチに出てもらうようにしてますね」

 waveに参戦することで、また別の一面も発見することができるという。他団体からだけではなく身近なところでは、新人・塚田も桜花の発見だ。

「あの子は舞台から拾ってきたんですよ。私が出た舞台で共演して、運動神経悪くないしプロレスに向いてるかもって思えたんですね。半年くらいかけてくどいて、練習始めて、デビューできました。毎日泣いてますけど、根性ありますよ」

 社長として人材発掘も手がける桜花。この状況下で苦労も多いが、ストレス発散はやはりリングの上だと言う。

「大会を成功させなきゃいけないから、いろんなところに気配りをするし、雑務が多かったり大会準備が忙しくて、たまに試合したくないなってときもあります。正直、選手なんてやんなきゃよかったなって思うときもあるんですよ。でもやっぱり、レスラーなんですね。ストレス発散はリングの上で闘うことなんですよ。選手をやってないと、私のストレスは発散できない(笑)」

 社長レスラー・桜花由美。ビッグブーツがさく裂するたびに、彼女のうっぷんが晴らされていく!?

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