【週末は女子プロレス♯4】コロナ禍で奮闘する社長レスラー プロレスリングwave桜花由美

デビュー20周年の女子プロレスラー・桜花由美は、プロレスリングwaveの社長でもある。ヒザの大ケガから復帰し、GAMI(現wave会長)とのたった2人きりの旗揚げからすでに14年が経過した。当初はすぐにつぶれるとさえ言われていたのだが、団体を株式会社にしてからもすでに10年の月日が流れ、息の長い人気を保っている。桜花が社長に就任したのは2019年4月1日。実はこのときも団体は大ピンチで、流れを変えようとイメージ一新を図ったのが、桜花社長の誕生だったのだ。

桜花由美【写真:新井宏】
桜花由美【写真:新井宏】

「私って、ずっと出無精だったんですよ」

 デビュー20周年の女子プロレスラー・桜花由美は、プロレスリングwaveの社長でもある。ヒザの大ケガから復帰し、GAMI(現wave会長)とのたった2人きりの旗揚げからすでに14年が経過した。当初はすぐにつぶれるとさえ言われていたのだが、団体を株式会社にしてからもすでに10年の月日が流れ、息の長い人気を保っている。桜花が社長に就任したのは2019年4月1日。実はこのときも団体は大ピンチで、流れを変えようとイメージ一新を図ったのが、桜花社長の誕生だったのだ。

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「選手が何人も退団したりしたとき、GAMIさんから『オマエ社長やらへん?』と声をかけられたのがきっかけでした。そのとき、“おっ!いっちょやってみようかな”と思って、やることにしたんですね(笑)」

 すでに団体代表の肩書きがあったからか、案外すんなりと社長のポジションに入ることができた桜花。ただ、日々の行動は大きく変わったという。

「私って、ずっと出無精だったんですよ。でも、ほかの会社の社長さんから『社長になったからには呼ばれたら出向け』みたいなことを言われたんですね。フットワークを軽くしろと。それまでは“ひとり門限8時”みたいなことをずっと守ってて、8時以降に家にいたらそこから外に出ることなんてなかったんです。でも社長になってからは、お呼びがかかればたとえ夜でも出かけていくことにしました。それからいろんな人に会うようになり、人脈も広がりましたね。waveの知名度を上げることにつながっていきました」

 社長としては、朝起きてメールをチェックし返信する。発表ごとがあればマスコミへのリリースを作り、練習へ。その後オフィスに戻り、再びデスクワーク。これが試合のない日の典型的な日課である。「書類にハンコを押す機会が増えましたね。これからハンコってなくなっていくのかもしれないけど、ハンコで責任が増えたってことを実感しました(笑)」

 また、リング上については、選手の個性をこれまで以上に生かしていきたいと考えている。現在、wave所属レスラーは桜花のほか、宮崎有妃、旧姓・広田さくら、野崎渚、塚田しずく(新人)の合計5人だ。

「ウチの選手って個性が強いじゃないですか。なので、それぞれの個性を消さないで生かす。1人ひとりが主役というか、主役にもなれるし脇役もできる。誰でも主役を張れる団体にしたいなって思いますね」

 実際、昨年はこれまでケガに泣かされ続けてきた野崎が覚醒、Regina di WAVE王者として団体をけん引してきた。最近では一転して広田が頂点のベルトを巻き、コミカルと必死すぎる防衛戦という、これまでにない空間を作りだしてみせた。そこにフリー勢が加わる闘いの図式で、桜花は全国47都道府県での大会開催をもくろんでいたのだが…。

 現在、新型コロナウイルス禍により桜花の計画は大きな軌道修正を余儀なくされている。コロナ禍がおさまれば再び地方大会開催への流れを作っていくつもりだが、まずは目先の団体維持へとフォーカスせざるを得なかった。そこに社長としての苦労を感じたと、桜花は言う。

「昨年の緊急事態宣言のとき、数か月間大会ができなくなりました。大会ができないから大会での収益は見込めないんですよ。そのなかでどうやって会社を継続させていけばいいのか、悩みました。グッズの通販にも力を入れて。その頃は大会だけではなく練習も中止で、人と会うのも禁止。練習は1人で、なるべく人のいないところでやってくださいと。でも、ウチから陽性者が出てしまったんですよね」

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