瀧内公美「SNSばかりがあなたの価値じゃない」“裏垢”にのめり込む女性を熱演して感じたこと

実力派女優の瀧内公美(31)が、自身にとって“未知”となるSNSを題材にした映画に挑戦した。主演映画「裏アカ」(加藤卓哉監督、4月2日全国公開)。思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにのめり込んでいく女性の葛藤と再生を描く意欲作だ。取材・体験を基にする徹底した役作り、本作の迫真の演技を通して伝えたい思いに迫った。今回は前編。

映画「裏アカ」で主演を務めた女優の瀧内公美【写真:(C)2020 映画『裏アカ』製作委員会】
映画「裏アカ」で主演を務めた女優の瀧内公美【写真:(C)2020 映画『裏アカ』製作委員会】

裏アカウントにハマる女性の葛藤と再生を描く意欲作 4月2日全国公開「裏アカ」

 実力派女優の瀧内公美(31)が、自身にとって“未知”となるSNSを題材にした映画に挑戦した。主演映画「裏アカ」(加藤卓哉監督、4月2日全国公開)。思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにのめり込んでいく女性の葛藤と再生を描く意欲作だ。取材・体験を基にする徹底した役作り、本作の迫真の演技を通して伝えたい思いに迫った。今回は前編。(取材・文=吉原知也)

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――本作はSNS社会をテーマにした作品。瀧内さん自身は、役作りのために過去にインスタグラムを開設した経験はあると聞きましたが、ほぼ“初心者”とのことです。脚本を読んでどのように感じましたか。

「SNSを活用していないので、『裏アカウントを扱って何を表現しようとしているんだろう?』というところから始まりました。SNS全盛の時代ですから、時代を切り取った作品だなと思いました」

――実際にほかの人に話を聞いたのでしょうか。

「周りの人たちにSNSを使っている人が多いので、裏アカってどんなものなのかと聞き回ったんです。でも、『そういうことって普通は聞かないんだよ』と言われまして(笑)」

――他人に内緒にしてこっそりやるのが裏アカですからね(笑)

「自分の中で消化できない思いだったりを裏アカに載せたりするのかなと感じました。あと、見る用専門とか。秘密裏に活用できるから裏アカなのですよね」

――主人公の伊藤真知子は青山のアパレルショップ店長で、仕事をバリバリこなす美しい女性ですが、家では独り寂しく過ごし、フォロワーの1人である“ゆーと”という年下の男(神尾楓珠)と会い、ひかれていきます。さまざまな顔を見せていくような演技でした。

「アパレルで働く30代女性の役柄なので、ある程度キャリアはあるだろうし、実際にアパレルで働いてみることをやってみました。仕事柄、スタイリストさんと知り合う機会が多いので、お願いして何店舗かを回って取材をさせていただきました。本業の人が映画を見た時に、『えっ、そんなことないよ』と思われるのが嫌だなと思いまして。そして、本作は『本当の自分とは』というテーマがありますが、真知子自身見えないものと闘っているイメージで、フォロワーの数、いいねの数を気にしてあまり価値のなさそうなものを追い続けているような感じがして、そこで自分を見失っているんだろうなと。でもその時の彼女にとっては大切なことなので、その瞬間に感じていたであろう葛藤の積み重ねを想像しながら、大事に表現してみました」

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