新時代の新たなカタチ“音楽アート集団”とは 「CHRONICLE」が示した表現の可能性

HIDEYA KOJIMA(左)とloundraw、T.B.Aはいまだ謎に包まれている【写真:荒川祐史】
HIDEYA KOJIMA(左)とloundraw、T.B.Aはいまだ謎に包まれている【写真:荒川祐史】

楽曲制作はテキスト上「顔を合わせてだとめっちゃ時間かかりそう(笑)」

――楽曲を作る時に何から着想を得るのでしょうか。

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l「あまりインスパイア元はないのですが、メディアミックスされていくものという意識はしていて、例えば“ゲームからアニメーション”だったり、“アニメーションからゲーム”などがあるのですが、1つの作品において世界観など大きな枠組に価値があれがば、表現する手法が変わっても受け入れられていく。そういった部分はCHRONICLEではちゃんとやりたいと思っているので、メディアミックスされていくものという部分は意識しています」

K「CHRONICLEで僕が作りたかった音楽は、曲としてはもちろんですが、何かの背景に回れる音楽。loundrawのイラストBGMとしてもちゃんと機能するような音楽を目指しています。なのでインスピレーション元はゲームBGM、映画のBGMや景色だったり情景ですね。夕暮れの時間、夜の街灯の風景……。そういうものからイントロを作り出すことが多く、例えば今回の『夕景』という楽曲は、自粛期間中に室内のスタジオや自宅にいる状況が続いた中で、夜の街灯を久々に見た時に新鮮で感動したんですよね。『こんなにきれいなんだ』って思って。でも、『なんか切ないな』とも感じた。そういったいろいろな感情が出てきた時に、ピアノでとても静かだけど、どこか闇と光を感じさせるようなイントロを作りました。そういった景色とか情景という部分からの着想が大きかったですね」

T「自分は演じることに焦点を置いていて、アルバムの中でもささやくような、loundrawくんの歌詞を読み上げるような感覚に近いイメージでレコーディングに臨みました。それをどのようにうまく表現するかという時に『ポエトリーリーディング』というジャンルで活躍されているMOROHAさんの曲を聴いてメロディーに乗せて語るという方法を勉強しました」

――歌い方の要望を受けたりすることはありますか?

K「そうですね。基本的に仮歌をもらって、その段階で歌詞や歌い方の要望を3人で話し合い、実際にスタジオに入った時に、録ってみないと分からない部分やアイデアが出てくるので、そういうところはT.B.Aとやり取りしながら作っていきました」

――曲を作る時は3人で顔を合わせて作るのでしょうか。

l「スピード感の部分を考えてテキスト上が多いですね。データや文を見て、その場でコメントしてみたいな感じが多いです」

――3人で0から共同で作ることはあまりないということでしょうか。

l「むしろ、そういう方法をとったときに、どうやって作られるのか全然想像がつかないですね(笑)」

K&T「確かに」

T「顔を合わせてだと、めっちゃ時間かかりそうですね(笑)」

K「まずは各々の最高の作品を出し合って、それを揉んで1曲にするという感覚が強いかもしれないですね。今はテキスト上でそれを行うことが多いです」

――レコーディング時にはKOJIMAさんとT.B.Aさんが一緒に? loundrawさんはいない?

l「そうですね。最後の曲(「三番線」)はいたのですが、いないことが多いです。僕は歌えるわけでもないので(笑)。でもそれは、絵を完成させる時は僕が1人で最後のアウトプットをやるのと一緒で、そういう意味ではそれぞれのプロフェッショナルな部分をその人がやっているイメージです」

――3人の個性を持ち寄ってぶつけ合っているようなイメージですね(笑)。

一同「(うなずく)」

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