【オヤジの仕事】俳優・西岡德馬が4月挙式の娘に贈る言葉 登校拒否、殴られた思い出も「今は笑い話」

2020年、74歳で歌手デビューし、4月の娘の結婚式で生歌披露予定【写真:山口比佐夫】
2020年、74歳で歌手デビューし、4月の娘の結婚式で生歌披露予定【写真:山口比佐夫】

父親の導きで俳優の道へ「オヤジは大きな存在」

 そもそも、僕が俳優になったのは、父親がきっかけを作ってくれたんです。僕は高校時代、ちょっと成績も素行もワルくて、学校から「2年から3年に上がれない」って言われたんですよ。そうしたら、オヤジが学校側とケンカしちゃって「留年なんてしなくていい。辞めて俳優になれ」って僕を東宝芸能学校に行かせたんです。僕は小学校1~3年のときに頼まれて子役をちょっとやってましたから、僕には勉強より俳優の方が向いてる、とオヤジは思ったんでしょうね。オヤジは横浜でも1、2を争う印刷会社を経営していたんですけど、そっちは勉強ができる弟のほうにやらせようと考えたそうです。

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 男にとって、オヤジは大きな存在。オヤジは戦前の軍国主義教育を受けて徴兵され、最激戦地の硫黄島に行くところだったのを、オヤジと同じ町内出身の上官の機転のおかげで命拾いしたから、バリバリの硬派でスパルタでした。僕はガンガン殴られたし、頭から水ぶっかけられたこともあるし、ケンカしたら「絶対負けるな!」、弟が時計取られたら「お前が取り返してこい!」って言う人でした(笑)。体がデカくて力も強くて、でも酒飲みでしたから、60歳で肝硬変で亡くなってしまいました。早いですよね。僕はオヤジより、もう14年も長く生きてるんだなあって思います。

 オヤジが厳しかったから、父親ってそういうもんだと思ってて、思い返せば、娘にも人様に迷惑かけるなとか、礼儀正しく、とか厳しく言って、「バカヤロー!」って叱ってました。でもあるとき、妻に「私は父親に一度も怒られたことがない、そんなに娘を怒らないで」って言われて反省しました。「女の子はとにかく抱きしめてやって、何でも聞いてあげられる父親にならなくちゃいけないんだよ」って。それで、今じゃグズグズの友達感覚。何でも話せる仲になっていますね。ただ、照れて言えないこともあるので、それを去年出した歌のカップリング曲「娘に乾杯」の歌詞に託しました。優妃の結婚式で初めて生歌で披露するんですよ。今からちょっと緊張しますね(笑)。

□西岡德馬(にしおか・とくま)1946年10月5日、横浜市生まれ。本名:西岡德美(にしおか・のりよし)。70年、玉川大学文学部芸術学科演劇専攻を卒業し文学座入団。79年退団。91年、ドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)で人気・知名度アップ。映画「極道の妻」シリーズやNHK大河ドラマ「風林火山」、「過保護のカホコ」(日本テレビ系)など多くの作品で活躍しバラエティでも愛されている。20年11月、俳優デビュー50周年記念シングル「だろ?」(徳間ジャパン)で歌手デビュー。カップリング曲の「娘に乾杯」は娘への思いを歌にした。21年2月21日~27日、京都の「南座」で行われる舞台「喜劇 お染与太郎珍道中」で、娘・優妃(34)と親子役で初共演。

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