開業医が自宅療養中の新型コロナ感染者のためにできること 医師会が模索する内容とは

江戸川区医師会会長を務める、しんでん耳鼻咽喉科医院の田部浩生院長
江戸川区医師会会長を務める、しんでん耳鼻咽喉科医院の田部浩生院長

前日より少しでも症状が進んだら遠慮はだめ、かかりつけ医や保健所にすぐ連絡

 一人暮らしの感染者は少なくない。客観的に症状の悪化に気づきにくい場合もある。

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「独居の方に最も言いたいのは、とにかく我慢しすぎないこと。つらいとか、何かおかしいと思ったら遠慮してはだめ。すぐ、かかりつけ医や保健所に連絡するべきです。余裕のない場合は119番です。連絡する目安は、昨日よりだるいとか、昨日より熱が上がったとか、状態が進んだと思ったらすぐに連絡するべき。私はよく患者さんに、前の日よりつらくなったら連絡をくださいと言っています。おかしいと思ったらとにかく遠慮してはだめです」

 細かいことも聞いてみた。たとえば高熱が出た場合、家の市販薬の服用は大丈夫か。

「安全な薬もありますが、症状が隠されてしまうことがありますし、その時だけ楽になったことで安心してしまう危険も。そこで今、言われているのが、かかりつけ医の重要性。うちでも陽性の患者さんの家族や親戚が代わりに来たら薬を出しています」

 自宅療養中の食事、熱がない場合の入浴はいいのか。

「バランスのいい栄養を取るためビタミンなどのサプリメントを準備しておくのも1つの方法。お風呂は熱がないなら大丈夫。体を清潔に保つことは大切です」

 同居する家族は、患者の衣類の洗濯、食後の食器など世話する場合どんな注意が必要か。

「衣類は患者さん用に別に洗濯して天日干しすれば大丈夫です。食器は患者さん専用のスポンジで洗剤を使って洗えば、その食器を家族が間違って使っても大丈夫。使い捨ての手袋を使う人もいますが、後でよく手洗いをすることは大事です」

 また患者の部屋に入って掃除などの世話をする場合の注意点は。

「不織布のマスク、使い捨ての手袋、使い捨てのエプロンなどを使用して世話をする。重要なのは手袋やエプロンなどを脱ぐ時、それらの外側に触れないこと。着ている時の内側を表になるようにして脱ぐことが大切。世話をした際の体表面にはウイルスが付着していると考え、触れないようにするのが大事です」

次のページへ (3/3) かかりつけ医でなくても橋渡しする体制は「ここに電話、というだけでも安心感に」
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