開業医が自宅療養中の新型コロナ感染者のためにできること 医師会が模索する内容とは

江戸川区医師会会長を務める、しんでん耳鼻咽喉科医院の田部浩生院長
江戸川区医師会会長を務める、しんでん耳鼻咽喉科医院の田部浩生院長

かかりつけ医でなくても橋渡しする体制は「ここに電話、というだけでも安心感に」

 そもそも感染者を受け入れる医療施設、従事者に余裕はない。街のクリニックにできることはないのだろうか。

軽トラからセンチュリー、バイクにバギー…大御所タレントの仰天愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

「来月くらいからきちんとした形で話が出てくるだろうと思いますが、開業医が自宅療養患者のフォローをする体制がおそらくできてきます。いずれは全国規模の取り組みになると思います。状況、環境次第で開業医でもやれることはあるのではないかと、今、日本医師会や東京都医師会でも考えています」

 いろんな方法の模索段階というが内容が気になる。

「たとえば在宅の患者さんを診ている医師は自宅療養の患者さんを訪問して診察し、病状悪化の場合は感染者対応の病院へ橋渡しをするようになると思います。都心部には、かかりつけ医がいないという人は多いです。なので、かかりつけ医ではなくとも橋渡しする体制をつくる。ここに電話したらいい、というだけでも安心感につながると思います」

 最後に田部氏は今、懸念することがあるとし、「コロナうつ」と続けた。周囲にそれらしき人がいただけで、不安になり、ナーバスになる人が増えているという。

「心のケアが心配です。感染後、退院して自宅に戻った人が一家で引っ越したケースもあります。居住地域から追い出されたんです。全国的に起こっています。退院したら『おめでとう。頑張ったね』と言えるコミュニティーでありたいですよね」

 新型コロナウイルスは体だけでなく心も攻撃する。今、人には心の支え合いが必要と教えられる一言。街の開業医もかかりつけ医の立場であろうが、なかろうが自宅療養者のためにと動こうとしている。心の支えになるに違いない。

トップページに戻る

1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください