越智ゆらの、元Popteenモデルの原動力は低い自己肯定感「反省点を次に生かした」

転機となったのは初主演映画だったという【写真:荒川祐史】
転機となったのは初主演映画だったという【写真:荒川祐史】

転機になった初主演映画「何か心の通じ合いができるお仕事なんだなって思った」

 商店街デートし、一緒にジェラートを食べるシーンでは、アドリブも。モデルとして活躍し、その後、女優業にも進出。モデルと女優の仕事の違いをどう感じているのか? 「モデルは私のことを求めて、私のことを撮りたくて取ってくださるので、自分をどれだけ良く見せるかがお仕事。だけど、お芝居は、自分をよく見せる必要はなくて、逆に自分をよく見せるのは駄目。見ている方にどれだけ伝えられるかが大事。本当に全く違うお仕事だからこそ楽しいなと思っています」。しかし、女優業には当初、つらさもあったという。「お芝居では基本的に代わりはいくらでもいる。求められてモデルをやっていた身からすると、私がやる意味があるのかなって悩んだ時もあったんです。それに、自分の芝居を見ると、反省点ばかりで……」。

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 転機になったのは初主演した映画「おかざき恋愛四鏡」(20年)での出来事だった。「舞台あいさつをやった時に、お見送りしてくださった方々が直接、感想を言ってくれたんです。単純に映画を観に来てくださった方、私のファンではなかった方から『よかったよ』って言ってもらえて。本当に泣きそうになるくらいうれしくて……。自分が一生懸命やったものが届いたんだなって思ったんです。モデルには直接のふれあいはないので、何か心の通じ合いができるお仕事なんだなって思った時に、お芝居がより好きになりました」。

 ツイッターのフォロワー数42.5万人以上を持つ人気モデルだが、コンプレックスを口にする。「私、自分がしゃべっている顔がめちゃくちゃ好きじゃないんですよ。苦手なんです。だからバラエティー番組にも出たくない」「Popteenでも特別、顔がかわいいわけでも、スタイルが特別いいわけでもないと思っているんです」「本当に周りにいる子たちに比べても、自分は全然まだまだだなと思うことばかり。本当に全然駄目」と自己肯定感は低めなのだ。

 しかし、この思いこそが自身の大きな力になっている。「自分の芝居を見るのも嫌だったんですけど、これをプラスに変えようと思ったんですね。自分の直したいところや言葉遣いの気になるところを修正したら、もっといい人間になれるじゃないですか。反省点を見つけて、次に生かすようにすることを心がけていると、ちゃんと伝わるんですよ。見てくださる方の反応も良くなったりとか、コメントでいろいろほめていただけるので、そういうのが活力になっています」。

 昨年からのコロナ禍の中では、新たにYouTubeチャンネルも開設した。自身で撮影し、編集映像もチェックしている。「いっぱいいるモデルさんの中で自分を好きになってもらうには、自分の魅せ方、自分の魅力を自分でわかって、それを伝える力がないといけないと思っています。最初、編集も自分でしようかと思ったんですが、今たくさんYouTuberさんいる中、今から始めて、ちゃんと見てもらうためには更新頻度が大事。それには私の編集力では足りない。なので、映像会社さんにいろいろお話を聞きに行って、自分に合ったところにお願いしています。画面の映り込みやBGMにも気を配りながら、本当に一つの作品を作る気持ちでやっています。Popteenの時にすごく自己プロデュースをする企画が多かったので、その時に培ったことができているので、楽しいと思っています」。

次のページへ (3/4) YouTubeでは“普段の私”を見せつつ、芝居では切り替えられるような女優に
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