青木真也がコロナ禍のシンガポールで激勝 PCR検査4回、ホテルに缶詰、驚きの入場…核心直撃

DDTの竹下VS秋山の無骨さが刺さった

――今回の試合なんですけど、相手はジェームズ・ナカシマというウエルター級の選手で、戦績が12勝1敗。岡見勇信選手にも勝っている強豪でした。

「相手がヘビーだったので、ちょっとピリピリしましたけどね」

――今回、ナカシマ選手はウエルター級から一階級下げてライト級転向の初試合です。青木選手は試合前に「自分はONEでは窓際。だからこそ、なめるなよ、という気持ちで闘う」と発言しています。

「このタイミングでこういうカードを組んでくるってことは、お前、どうするんだよってことじゃないですか。これから上に行けるのか、方向転換してもらうのかジャッジされてるってことだと思うんですよね。だったらテメえやってやるよっていう気持ちがあって」

――ええ。

「少し話が飛びますけど、去年の12月27日にDDT(の後楽園ホール大会)で竹下幸之介VS秋山準っていう試合があったんです」

――え?

「それ、思うところがいっぱいある試合で。今のプロレスってどれも考えられてつくられていると思うんですけど、その試合は足攻めして腕攻めして、レスリングして、ちょっと場外でやって。20分くらいの試合(23分29秒)なんですけど、最後はキムラロックで秋山が勝つんです」

――最近のプロレスでは珍しい勝ち方じゃないですかね?

「なかなかないですよね。2020年はいろいろあったけど、最後にいいものを見たなあっていう気持ちになったんですよ。要は飾り気のない無骨なもの? それをこのタイミングでこのご時世に出してくるなんてすごいなと思ったし、(竹下と秋山の)2人とも分かっているなと思ったんですよ」

――分かります、分かります。

「その試合を見た時には、今回の試合をやることが決めていたんですけど、思っていることは実は一緒で」

――一緒というと?

「年末にRIZINがあったけど、それってYouTubeという消費されるコンテンツじゃないですか。数字で語られるコンテンツ。それはインターネットのウェブメディアもそう。だけどその数字でしか語られないものってクソだなと思っていて」

――クソ(笑)。

「つまんねえと思っちゃっていて。だけど世の中自体がコロナもあって数字でしか語られないようになって、どんどん消費する方向になった時に、数字とは全く関係ないものを出したら深く刺さるなと思ったんですよ」

――そこに明確なものがあれば、深く刺さるはずだと。

「実際、竹下VS秋山は刺さるだけじゃなくて、ちゃんと握られたんです。だから僕も、今こそ無骨なものを出して、RIZINが五味隆典VS皇治とかシバターとかやっている中で、お前らくだらねえよ。こっちは本物だからっていうのを見せることが自分の表現における矜恃だと思ったんです」

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