青木真也がコロナ禍のシンガポールで激勝 PCR検査4回、ホテルに缶詰、驚きの入場…核心直撃

難敵ナカシマ(下)からネッククランクで勝利を飾った青木真也【写真:(C)ONE Championship】
難敵ナカシマ(下)からネッククランクで勝利を飾った青木真也【写真:(C)ONE Championship】

試合後はシャワーも浴びずにホテルに戻る

――というと?

「控室に1時間くらいいて、入場ゲートに行く時は、セコンドが全部の荷物を持っていくんですよ」

――荷物を?

「そう。だから控室には帰って来ない」

――あー、そういうことか。

「しかも試合が終わった8分後には、もうホテルに帰る車に乗っているんですよ」

――8分後!

「バックステージに戻ってメディカルチェックをして、『大丈夫です』って言ったら、コスチュームを着たまま(シャワーも浴びずに)シャツを着て、車に乗ってホテルに戻る。その後、ホテルに着いてから、リモートで試合後のインタビューを受ける」

――ホテルから!

「しかも翌朝、またPCR検査。今度は出国のための」

――またそこで!

「この後、日本に帰ったら空港でまた検査があるから合計4回になりますね」

――海外で試合をするのってそんなに大変なんですね。

「ですね。だけど思ったのは、シンガポールとかベトナムとか、もう(コロナを)抑えられているじゃないですか。だから中国もそうだけど、社会主義国家は強いですよ。無敵だよ。罰則なんだもん。それとシンガポールにいる知人に聞いたけど、こっちではマスクは絶対なんだって。それは罰金があるから」

――罰金!

「ソーシャルディスタンスを取らないと罰金だし、全部が全部、罰金なんですよ。日本はお願いベースじゃないですか」

――まあ、そうですよね。

「でも、そのあいまいさが日本らしくて、僕は好きですけどね。今回は自分が日本人だってことを再認識したな」

――それは素敵な話です。

「結局、日本人てなれ合いだし、自然と調和する文化じゃないですか、まさに。八百万の神というか。だから追求していくと、日本人て恨めない人種なんですよ。なあなあにしちゃう。昨日の敵が今日の友みたいなのが本質だと思うんですよ。だから『武士道』とか言わないと規範が保てなくなる。そもそもの国民性として、なあなあにしちゃうから。そう考えると僕も、なんだかんだ言って、極めて日本人的なんだなと思っちゃった(笑)」

――それを感じたんですね。ともあれ、今回はホテルに缶詰になった分、時間だけはあった感じですか?

「ですね。その分、アホみたいに(自身の公式有料ブログで)文章を書きましたよ」

――いやあ、今回は試合も含め、もうすごく貴重な経験ができましたね。

「超カネになるコンテンツですよ(笑)。こんなことできないから。超面白かった」

次のページへ (3/7) DDTの竹下VS秋山の無骨さが刺さった
1 2 3 4 5 6 7
あなたの“気になる”を教えてください