同じ中学の先輩後輩・中村芝翫と高橋克典が初共演 時代劇「十三人の刺客」28日放送

ドラマ注目点、芝翫は「男の友情」高橋は「絆」

 お互いの演技から受けた刺激を聞かれると、高橋は「やっぱりいろんな感情、とても豊かな表現、喜怒哀楽、匙(さじ)加減、あらゆる局面を演じてきたんだなぁと思いましたね。そういう瞬間の作り方がいい。時代劇の表現や所作を形で説明するところもある」と魅力を語り、「(体重を)30キロ増ぐらいで臨めばよかった。恰幅(かっぷく)だけでもってかれちゃったところがあったしね」と演技合戦の一端を告白。これに気をよくした芝翫は「このドラマで分かったんですけど、ぼくは子どもの頃から克典さんに嫉妬してたんじゃないかな、と。だって学校では後光が差しているようでした。ぼくにとってはカッコよかったし全然変わらない。自然体でカッコいいのが舞台やドラマでは大事だと感じました。鬼頭という人の匂いがぶーんとした。また、克典さんと共演したいし、男が男にほれる、男が男を演じられる、そんな年代になってきたのかな。ぼくは歌舞伎界に同級がいないので、お互い同年代でしのぎを削ることができるのが楽しい」と再度の共演を呼びかけた。高橋も「歌舞伎役者との違いを実感した。本番中にちょっと芝居の相談もしたり。ふだんは仲間の役者とはできない話をしましたね」と明かした。

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 一方、このドラマが現代に投げかけるメッセージについて問われると、高橋は「命を大切にするというのが人間の一番の進化だと思います。ぼくが演じた半兵衛は古い体制のなかでも殿を守らないといけない、という現実の立場で仕事をする人。未曽有の病、人類がウイルスと戦うなかで、まさにドンピシャに価値観を共有できる作品ではないかと思います。何が幸せで何を敵とみなしていくのか、シンプルに感じていただけるのでは」と同時代劇の現代的意味を強調。続けて、「理不尽な図式は全然変わっていない。SNSに縛られている自分とか。主君じゃないけど、気付かずにそこに振り回されている。そこで大もうけしている人もいるわけで、それを晴らすというのがあるんじゃないか」と付け加えた。芝翫は「ぼく自身も歌舞伎役者をやっていることのメッセージを模索している。なぜ時代劇が衰退してきているのか、このドラマを通じてのテーマのような気がします」としみじみと語り、大ヒット中のアニメ映画を引き合いに「『鬼滅の刃』はまさに歌舞伎ですもんね」と歌舞伎の影響力を強調した。高橋も「理不尽をどうするか、という点では同じこと」と同意した。

 壮大な殺陣がこのドラマの最大の見せ場。芝翫は「空前の立ち回りといわれますが、後半はせりふではなく立ち回りで表現しているところが面白い」と語り、新左衛門の娘を演じた女優の大島優子について「すごくありがたいですね。忙しいなか、出演してくれて。大島さんが出てくださったことで新左衛門の人となりが見えた」と絶賛。高橋も「大島優子ちゃん、(演技が)良かったね」とうなずいた。

 最後にドラマの注目点について芝翫は「男の友情ですよね。克典さんとのラストシーンではわりと自然に涙がこぼれました。子どもの頃のこととか、いろんなことを思い出しました。現代劇でもいろんなドラマがありますが、時代劇でしか表現できないものがある。多くの血のりが出てきますが、その血のりは残虐な血のりではなく、肉体から出る汗だと思って見ていただけたらうれしいです」。高橋は「絆。そういう相手、そういう友がいたら人生幸せじゃないか」と、新左衛門と半兵衛の姿に幼なじみとの友情を重ね合わせていた。

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