王者・鈴芽は「激辛のデカ盛り」 大食いレスラー上原わかな、シングル初挑戦へ…とまらないハングリー精神

2023年1月にデビューして3年半、新人トーナメントで優勝し、タッグのベルトも巻いた上原わかな。しかし上原のハングリー精神はとどまることを知らない。7.18後楽園ホール大会では、ついにシングル王座へ初挑戦。相手はインターナショナル・プリンセス王者の鈴芽だ。海外志向を口にする上原へのインタビュー後編は、インターナショナル王座への思い、そして鈴芽の印象を聞いた。

海外志向からIP王座を狙う上原わかな【写真:橋場了吾】
海外志向からIP王座を狙う上原わかな【写真:橋場了吾】

シングルでやっていこうというときに、自分の強みを増やしたいと思い“蹴り”を解禁

 2023年1月にデビューして3年半、新人トーナメントで優勝し、タッグのベルトも巻いた上原わかな。しかし上原のハングリー精神はとどまることを知らない。7.18後楽園ホール大会では、ついにシングル王座へ初挑戦。相手はインターナショナル・プリンセス王者の鈴芽だ。海外志向を口にする上原へのインタビュー後編は、インターナショナル王座への思い、そして鈴芽の印象を聞いた。(取材・文=橋場了吾)

 上原わかなは2023年12月に、23年組6選手が出場した『ねくじぇねトーナメント’23』で優勝した。しかし、シングル王座への挑戦は、HIMAWARI、凍雅、風城ハルに先を越されてしまう。

「しばらくOber Eatsで活動している期間があったので、ねくじぇね世代とは関わりが減ってしまったんですけど、改めて今みんなと戦ったり組んだりすると、知らない間にめちゃくちゃ成長していて。同期は助け合う仲間でもありますけど、脅威でもあるなと常に思っていますね。私は(ねくじぇねに優勝したこともあり)頭一つ抜けているよね、と言ってもらえることもあるんですけど、私的には全然そんな風には思ってなくて……でも、そういう風になりたいって、気持ちはめちゃめちゃありますよ。1mmも油断できないですし、120%全力を出さないといけないと思って、毎回挑んでいます」

 6.7後楽園ホール大会。上原は凍雅と久々にシングルで対戦し新技・延髄斬りも披露、最後はスシ・トルネードでフォール勝ちを収めた。

「すごく大きく見えましたね。試合中は“圧”がすごかったですし。あとはまとっているオーラが変わったなと。前の凍雅ちゃんは『プロレスラー半分・女子半分』みたいなイメージがあったんですけど、今は『バチバチのプロレスラー』という気迫を感じましたね。(延髄斬りは)ここ1ヶ月ぐらいですかね……タッグのベルトを落として、シングルでやっていこうというときに自分の強みを増やしたいと思って。もともとキックボクシングをやっていたんですが、あまり試合で使えていなかったので、改めて新しく最近出すようにしました。デビュー当時は蹴りを使う選手が多かったので控えていたんですが、今解禁したという感じで。でも、最初から蹴りを使っていたら、スペースローリングエルボーはやっていなかったと思うので、全体的に見たら(今解禁する方が)良かったのかなと思いますね」

 その勝利の勢いのまま、上原は鈴芽の持つインターナショナル・プリンセス王座への挑戦を表明。その名前から、海外志向の上原がずっと狙っていたベルトだった。

「デビューしたころは、とにかく一試合一試合やるのが精一杯で、ベルトなんて口にも出せないぐらいでしたけど、いつかはインターナショナルのベルトを獲りたいという気持ちはずっとありました。あのベルトを持って、世界中で防衛しまくりたいです。(挑戦者に)来ていただいてもいいんですけど(笑)」

苦手という鈴芽(左)への挑戦を表明【写真:(C)東京女子プロレス】
苦手という鈴芽(左)への挑戦を表明【写真:(C)東京女子プロレス】

鈴芽は「死に物狂いで食らいついていかないと完食できない」王者

 上原は、2025年7月にキャリアでいうと3年3か月先輩の鈴芽にシングルでフォール勝ち。相性は悪くないが……。

「私は東京女子の中で身長も体格も大きい方ではあると思うんですけど、鈴芽さんは小柄なのに一個一個の技が鋭いですし、とにかくスピードが速い選手なので……本人に聞かれたくはないですけど、鈴芽さんのファイトスタイルは正直苦手なタイプです。攻略が難しいですよね。例えば、絞り技をかけようと思っても、気づいたら丸め込まれて向こうのペースに持っていかれるので。自分が予期しない動きも多いですし。(筆者「苦手だと思っている相手が王者のときに……」)

 これは、タイミングが来たからですね。(タッグの)ベルトを落としたのが3月で、次にどうしようかをすごく考えて、タッグをまた狙うのか、シングル路線に行くのか……タッグでは今は伸びるところまで伸び切ったなと思ったので、一回シングルで各々成長してまた(上福ゆきと)タッグのベルトを狙った方がいいんじゃないかなという考えもあって。それでシングルで行くと思ってからは、いつ(インターナショナル王座に)行くかを狙っていましたね。6.7後楽園でシングルマッチが組まれたので、勝ったら絶対に挑戦表明だなと思っていました」

 6.13横浜大会。上原は七瀬千花と組み、鈴芽&桐生真弥組と対戦。上原の目の前で、鈴芽は時間をたっぷりとってからリング・ア・ベルを放ち、七瀬からピンフォールを奪った。

「(マイクアピールで)『ペロッと完食』と言ったんですけど、戦ってみたら思った以上にデカ盛りサイズで……本当に死に物狂いで食らいついていかないと、完食できないなというのを感じましたね。この間の前哨戦で味見したら、鋭い味がしたという感じです。一口目はおいしい、で食べ続けていたら後からめっちゃ激辛みたいな。調子に乗って食べていたら、大やけどしてしまう……本当に自分のペースに全く持っていけなかったですし、最後も(リング下にいた)私の方まで近づいてきて挑発してからフィニッシュに持っていかれて。本当に悔しかったですね」

 今や鈴芽のリング・ア・ベルはどこから飛んでくるかわからないため、最大級の警戒が必要だ。そのうえで勝利して、上原が見据える先は……。

「やっぱり“インターナショナル”なチャンピオンですよね。海外の選手ともバチバチに戦いたいですし、東京女子をもっと世界中に知ってもらえるような活動をしていきたいですね。それこそ英語版のYouTubeを始めたのは、海外でもっと試合をしたいというのもあって。プロレスの試合も海外でたくさんしたいですし、日本に来た海外の選手とも戦いたいですね。デビューして半年のときの夢は変わってないですけど、タッグのチャンピオンになりましたし、ねくじぇねも優勝しましたから、今度はシングルのベルトも取ってまだまだ上に行きたい……ハングリー精神は、まだまだ止まりません」

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