66歳“走り屋”が発掘した「最後の愛車」 キャッシュで即決した理想の1台、妻の理解も

年を重ねて60代半ばになる中で、共通の趣味を持つ夫婦が「ついのクルマを探そう」。老後の人生を託した愛車がある。夫婦でドライブを楽しみ、往復600キロの弾丸旅行も。欠かせない存在だ。数々のスポーツカーに乗ってきた66歳男性は「もう最後の愛車だからね。理想の1台を発掘できました」と充実感にあふれている。

運命を変えたコペン【写真:ENCOUNT編集部】
運命を変えたコペン【写真:ENCOUNT編集部】

【愛車拝見#330】東京オートサロンに夫婦で行くのが毎年の楽しみ

 年を重ねて60代半ばになる中で、共通の趣味を持つ夫婦が「ついのクルマを探そう」。老後の人生を託した愛車がある。夫婦でドライブを楽しみ、往復600キロの弾丸旅行も。欠かせない存在だ。数々のスポーツカーに乗ってきた66歳男性は「もう最後の愛車だからね。理想の1台を発掘できました」と充実感にあふれている。

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 2015年式のダイハツ・コペン ローブ。白のボディーで、トヨタのエンブレムが付いているのが印象的だ。ワンオーナーの中古車で2年前に手に入れた。前オーナーは驚くべきこだわりを詰め込んでいた。「もともと展示車両を購入したようです。足回りは全部カスタムしてあったんです。ハイオクで乗ってて。こんな走りの仕様はなかなかない。相当お金をかけたと思いますよ。理想のカスタムでした」。最初は軽ワンボックスを考えた。次の候補として、ホンダ・S660を視野に入れていた。中古車情報でコペンを見つけて、即決。キャッシュで一括で払った。このコペンは妻の所有だ。

 果樹園を経営し、整備士の資格も持っている男性。根っからのクルマ好きで、三菱・ランサーエボリューションのエボXに乗っており、華麗なる愛車遍歴を持っている。

「SUBARUインプレッサ S203。限定車の赤で、筑波サーキットのコース2000で1分11秒台で走ったことありますよ。しかもノーマルで。他には、コスモスポーツやサバンナRX-7にも乗りました。ちなみに、エボXは360馬力で、12月にはサーキットで走る予定ですよ」。子育て期はエルグランドだったが、350ハイウェイスターのハンドルを握った。

 実はバイクも大好き。ガレージには今も5台のコレクションが。中でも、カワサキ ZZR1400が自慢の単車だ。

 ひと目ぼれした極上のコペン。「何より走りがいいし、トランクもゴルフバッグ1個入るぐらい広い。お買い物もできます。妻はコペンのオーナーズクラブにも入って、私が運転してのドライブも楽しんでいますよ。長距離を走っても疲れないんです」と満面の笑みを浮かべる。

 そんな筋金入りの“走り屋”は、夫婦のコペンに自分流を加えている。17インチのホイールに、お気に入りのブレーキキャリパーをカスタム。「他に付けている人は見ないですよ。ブレーキ性能もよく効きます」と自慢気に語る。

 若い頃は車にまったく興味がなかった妻は、夫の情熱に感化され、すっかりクルマ好きになった。今では、東京オートサロンに夫婦で行くのが毎年の楽しみ。妻は元レーシングドライバーの“ドリキン”こと土屋圭市氏の大ファン。ホンダのイベントで抽選に当たり、同乗体験をさせてもらったことが最高の思い出だという。

 子育てを終え、改めて人生設計を考えた中で、「最後だから楽しまないと」という答えにいきついた。「乗りたいという気持ちは全然衰えないですよ。ただ、この年代になるとね、どうなるか分からないところもあるので、やりたいことをやりたいですよね。1日1日を大切に、そう思っています」。妻は「私自身もスポーツカーに乗ってみたいという夢があったんです。夫には自分が乗れる限界まで乗って楽しんでほしいですね。私も楽しんでいきたいです」と優しく見つめる。

 運命の1台で大人の青春を謳歌(おうか)。男性には、さらに大きな夢がある。約35年前の新婚旅行で、ハワイでフェラーリに乗る予定だったのが実現しなかった。そんなちょっと悔しい思い出もある。「やっぱり車乗りとしては、フェラーリにね。いつか乗りたいですね」と目を輝かせた。

次のページへ (2/2) 【写真】60代夫婦が運命を託した1台、実際の車体
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