【UFC】「格闘技は喧嘩だ」鶴屋怜、内山高志氏育てた韓国人コーチから教わった技術とメンタル<インタビュー第1弾>
UFCファイターの鶴屋怜(24=THE BLACKBELT JAPAN)は今月29日に行われる格闘技イベント「UFC Fight Night: Nurmagomedov vs. Song」(中国・上海オリエンタルスポーツセンター)でケビン・ボルハス(ペルー)と対戦する。次戦でUFC4戦目を迎える若き天才がENCOUNTの単独インタビューに応じ、ファイトスタイルの進化や世界最高峰の舞台で生き残るた術を明かした。

UFC上海 鶴屋怜単独インタビュー~第1回~
UFCファイターの鶴屋怜(24=THE BLACKBELT JAPAN)は今月29日に行われる格闘技イベント「UFC Fight Night: Nurmagomedov vs. Song」(中国・上海オリエンタルスポーツセンター)でケビン・ボルハス(ペルー)と対戦する。次戦でUFC4戦目を迎える若き天才がENCOUNTの単独インタビューに応じ、ファイトスタイルの進化や世界最高峰の舞台で生き残るた術を明かした。(取材・文=島田将斗)
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前戦のルイス・グルレー戦では1R・一本勝ち。足のけがを抱えていたなかであったが、パンチも当て、鮮やかな勝利を収めた。「次は当たり前のようにいい感じで試合ができる」と自信をのぞかせたが、参戦当初は「力んで自分の動きができなかった」と振り返る。
適応に時間を要したのは、UFC特有のシステムだった。「日本だと朝から全員の選手が会場で待機しているけれど、UFCは試合前にドーピング検査があったり、ホテルから『試合何分前になったら行け』とどんどん流れで動くんです。試合が終わってメディカルチェックなど済んだら『リュックに荷物を全部入れて』って速攻で帰されて、気が付いたら2試合後くらいにはホテルの自分の部屋にいる。あっという間に進んでいくんです」と、その慌ただしい舞台裏を明かす。
対峙(たいじ)する外国人選手のプレッシャーもこれまでとはケタ違いだ。「顔つきもイカついし、肝が据わっている。弱さを出すとなめられるから、胸を張っていくことで相手に圧を感じさせるように意識しています」とうなずいた。
フェイスオフであえて派手なポーズを決めるのにも、明確な意図がある。「外国人からするとアジア人は顔を覚えにくいと思うんです。ポーズがある選手は覚えやすいから、『日本人でああいうポーズをやるヤツいるよね』と印象に残すためにやっています」と、自己プロデュースの意味でも行っていると笑った。
このフェイスオフから勝負は始まっているとはよく言うが、伊達ではない。レスリング時代から培ってきた感覚と知識で、短い時間で相手の特徴を分析する
「対峙(たいじ)して一瞬で相手の体つきを見ます。身長が高くて細長いヤツなら片足をすくってタックルが入りやすいとか、足は太いけど上半身が細いから上からいこうとか。胴が太そうだったら胴で組んでもなかなか倒せないなぁとか……。見ただけで大体倒しやすいパターンが分かる。職業病ですね」

次戦のボルハスはMETAランキング11位「いい勝ち方をして10位内に入れば」
そんな鶴屋にとって最大の転機となったのが、キャリア初の敗戦だ。「無敗で引退するぐらいの気持ちだったのでめちゃくちゃ悔しかった。もう二度とこんな思いはしたくない」と痛感。技術面も向上させたが、一番感じるのは「メンタル」の成長だ。
「練習でいくら強くても、試合前の減量やその場の雰囲気で力んで勝てないヤツもいる。自分は無敗で絶対に勝てると思っていたからこそ、落ち着きすぎていたかもしれない。前回は入場前に『おっしゃー!』と大声を出してから向かいました。今は、負ける可能性も想定して、最悪の場合を考えながらやるようになりました。侍の斬り合いなら負けたら死ぬじゃないですか。格闘技の試合で死ぬことはないけど、負けたら死ぬぐらいの気持ちでやらないとUFCでは勝ち上がれない。外国人だとラスト何秒でも気持ち見せてくるやついますよね」
敗戦をへて、練習内容も変化したという。ドリル練習を増やし、不利な体勢からの対処を徹底。さらに、セコンドの指示を聞く重要性も改めて感じている。
「これまでも『絶対に膝十字に行くな!』とセコンドに言われていたのにめっちゃ行って疲れたりしたんです。だから前回は、セコンドの言うことを全部聞こうと。試合前にやろうと決めていたことも忘れてて、セコンドの声で気が付いて、言われた通りにやったら簡単に極められた。試合中は頭の中が真っ白になるから……まさにチーム戦ですね」
もうひとつ明らかに変わったことがある。それはストライキングだ。前戦については「距離が合いすぎていた」と謙遜するが、明らかに引き出しは増えている。
その成長を支えているのが、五輪ボクシング韓国代表でもコーチ経験があり、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の“KOダイナマイト”内山高志を支えたホン・ドンシク氏の存在だ。
「いままではタックルにつなげるために、パンチを打つとかでしたけど、いまはコンビネーションが増えました。インファイトでも戦えるように。前回は正直ボクシングを相当やりましたね」
技術はもちろんのこと、鶴屋が強調したのはここでも「メンタル」だった。
「ホン先生から『格闘技は喧嘩だ』と教わったんです。レスリングでアマチュア競技をずっとやってきたから、あくまでもスポーツという思いが強かったんです。例えば喧嘩だったら、路上で殴られたら終わりじゃないですか。タックルに入ってバックを取ってキープして極めるだったのが、しっかり上を取ったときも思い切りぶん殴って削った方がいいなと。そこもメンタルでもありますよね」
次戦の相手はMETAランキング11位(8月24日現在)。「着実にあと2勝くらいすれば公式ランキングに入れると思う。いい勝ち方をして10位内に入れば、公式ランカーとも組まれると」と青写真を描いた。
さらに「日本人の中だったら堀口(恭司)さんや(平良)達郎くんにちょっと遅れている感じもある。そこはしっかりかまして『鶴屋怜もいるんだぞ』と見せつけたい。3Rのうちにしっかり一本フィニッシュで勝ちます」と力強く宣言した。
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