「専念するならもっとできるはず」…渡辺未詩が明かす元SKE48荒井優希への本音、王座陥落も“宿敵”の出現に見た希望
東京女子プロレスにおいて、2度プリンセス・オブ・プリンセス王座を戴冠した渡辺未詩。インタビュー後編では、アップアップガールズ(プロレス)の一員でもあり、「歌って踊って戦うアイドル」を地でいく彼女に、2026年の王座戦そして今後の展望を語ってもらった。

前哨戦も王座戦も荒井優希の喜怒哀楽を見せつけてやろうと思って試合に臨んだ
東京女子プロレスにおいて、2度プリンセス・オブ・プリンセス王座を戴冠した渡辺未詩。インタビュー後編では、アップアップガールズ(プロレス)の一員でもあり、「歌って踊って戦うアイドル」を地でいく彼女に、2026年の王座戦そして今後の展望を語ってもらった。(取材・文=橋場了吾)
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1.4後楽園ホール。東京女子の「イッテンヨン」のメインで、渡辺は鈴芽を迎え撃ってプリプリ王座の防衛を果たした。この試合は、日本のみならず海外のファンからも大絶賛されるような、技術と技術がぶつかり合う瞬間が幾度となく展開された。
「世界中にこの試合が広がるとは思わなかったですね。1.4だけが特別というわけではなくて、毎大会大切な試合をしている中であの広がり方はびっくりしました。シンプルにフォロワーがめっちゃ増えましたよ(笑)。試合が評価されてフォローしていただけるのは本当に嬉しいので、二度目(のベルト)を取った意味の試合ができたなと思います。(鈴芽との)シングルは久々だったんですけど、すごく楽しいんですよ。ファイトスタイルは違っても、お互いの好きなプロレスが同じみたいな感覚なので、試合中も心が通じ合っているみたいな試合になりましたね。自分たちが見てきた、先輩たちが築き上げてきた東京女子をさらに加速できたかなと思います」
3.29両国国技館。渡辺はSKE48を卒業しプロレスに専念して1年が経過した荒井優希の挑戦を受け敗北。2度目の戴冠はおよそ半年で終わりを告げた。東京女子は過去3回、両国国技館大会を行っているが、その2回のメインを締めているのが渡辺だ。
「もともと私は小学生のときから48グループさんが好きで、その中のSKE48の子が来る……一緒にリングに立てることが嬉しいと思っていましたね。その反面、アイドル経験者のプロレスラーが増えている時期ではあったので、右も左もわからない状態でアイドルとプロレスを始めて、やっと土台作りができそうと思ったらコロナ禍になって……ライブがほぼできない時期に本業としてしっかりやっている荒井優希が来てしまったら、東京女子の中で『アイドル×プロレス』という私たちの立場・居場所はどうなっちゃうの? みたいな不安があったのは正直なところです。
でも、荒井も忙しい中名古屋と往復しながら一生懸命やっているのを見て、やっぱりすごいなとも感じていました。ただ、この1年間はプロレス一本にしたわりにはこんなものか?とも思ったんですよね。二刀流であんなにできたのに、プロレス一本になったらこんなもんじゃないだろうと。(1.10新宿FACE大会の挑戦者決定バトルロイヤルに出た)あのメンバーの中で、一番強いというのは信じられなかったですよね……荒井優希はもっとできるじゃんという期待を込めて、いろいろ投げかけたんです。前哨戦でたくさんぶつかって、負けたのにこう言うのはあれなんですが、すごく強くなっていたことを感じて、やっぱり荒井優希ってこれだよなと思いましたね」
その前哨戦の中で、渡辺は荒井のサソリ固めでタップアウト負けを喫している。
「前哨戦で気づいたんですけど、荒井の強さはあんなきれいな見た目なのに、根性がとんでもなく強いところなんです。だって、あの時代の48グループで生きてきた人なんですよ。総選挙があって、常にシングルの選抜で戦って……365日24時間、ずっと戦っていたんですよね。それで私は荒井の過去を見直してみようと思って、荒井がSKE48に加入したころからのブログを読み返して、私が数年前にした経験を荒井は14歳でしていたことに気づいて……14歳当時のかわいい文章で荒井が書いているものを見て、これだけ心が強いんだというのを再認識しましたね。逆に今は、大人になっちゃった荒井の感情を私が引き出したいと思って、もっともっと荒井の喜怒哀楽を見せつけてやろうと思って試合に臨んでいました」
最終的に、渡辺は荒井をライバルと認めた上で挑戦を受け、王座を明け渡した。オープニングの歌のコーナーに登場しメインイベントも締める生活は、しばしの休息に入った。
「(歌のコーナーと、試合を両立することは)当たり前にはなっているんですけど、その魅力をもっと世間に広げていきたいなというのはずっと思っていますね。これはもうベルトがあってもなくても関係なく、世の中に届けていかないとダメだなと思っていて、プロレスに出会うきっかけを作る手段として音楽も使えると思いますし、オープニングで歌っていることと、(アイドルとプロレスを)大好きだと叫んでいることは、キャラクターとして伝わりやすいと思うので、もっと世間に広げていける材料になったらいいなと思います」

世界一のアイドルフェスでのプロレスを定番化させたい
そのアイドルの話でいうと、7月31日から8月2日に『TIFプロレス』を行うことが発表されている。これは世界最大級のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』内でプロレスエリアが設置され、東京女子の選手たちが試合を行うというものだ。
「以前DDTが(TIFで)路上プロレスをしているんですが、記憶にあるのは坂口(征夫=引退)さんがアイドルの中をかき分けて蹴りまくっていたり、ディーノさんがいつものような戦い方をしていたり(笑)。とはいえ芝生の上だったので、今回ちゃんと特設エリアができるというのは最大限にプロレスの魅力を伝えられるチャンスだと思うので、アイドルファンの方にも応援する楽しさを気づかせることができたら、アイドル界ともっと近い存在になると思いますし、世界一のアイドルフェスでプロレスを定番化させていきたいですね。これによって新たな道が見えれば……というのと、推しメンにプロレスラーとして会いたいです!」※渡辺はアイドル好きを公言している
プリプリ王座こそ奪われたものの、すぐに渡辺はプリンセスタッグ王座を獲得。辰巳リカとのタッグ・白昼夢で、およそ6年ぶり2度目の戴冠を果たした。
「元祖・東京女子のアイドルレスラーはリカさんですから、このタッグでTIFプロレスに臨みたいですね。(久々に本格稼働した白昼夢は)やっぱり楽しいですね!リカさんとしか見られない景色があるので。結局、勝ち負けもですが面白ければOKが一番なんですよね、白昼夢で戦っていると。みんなが幸せになりますし、首を絞められた人以外は(笑)」
2026年前半の東京女子は渡辺を中心に回ってきた。このままの勢いをどうつなげていこうと思っているのか、聞いてみた。
「まずはプリンセスタッグを確実に防衛して、この新ベルトとなった歴史を大切にしながらさらなる輝きを放っていきたいですね。白昼夢として5年以上ずっと言っていることなんですけど、タッグの入場曲がほしいですね。白昼夢というアイドルタッグが、“歌って戦う”を世に広めていきたいですね。TIFプロレスを成功させて、その中心にアップアップガールズ(プロレス)がいることを世間に広めていきたいですし、シングルについても荒井に負けた試合を見直して、ライバルができたっていうのと同時にまだ自分の伸びしろがありすぎることも感じました。
完璧に完成した状態で2度目の両国国技館の(メインの)リングに立つという人生計画は成し遂げられなかったので、勝てなかったというのも込みで、未完成を極めて更新し続けてまたビッグマッチであのベルトに届く選手になるように頑張りたいなと思っています。その両国国技館での試合をもっとたくさんできるように……東京女子が目指しているパッケージがこの前の両国国技館大会だったと思うので、そこを極めていくために、着実に個々の夢を強くしていく時期だなと私は思います」
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