テレ東の人気番組の秘密 バラエティーをドキュメンタリー的にする「ガチ感」の舞台ウラ

テレビ東京らしい人気番組が、新たにまた1つ誕生しそうな気がします。

オンライン会見を行ったテレビ東京のプロデューサーら【写真:(C)テレビ東京】
オンライン会見を行ったテレビ東京のプロデューサーら【写真:(C)テレビ東京】

記者が「畑そのまんまレストランにする。in 高崎」の会見などで感じた“テレ東らしさ”

 テレビ東京らしい人気番組が、新たにまた1つ誕生しそうな気がします。

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 先日、9月26日午後4時から放送される特別番組「畑そのまんまレストランにする。in 高崎」を3人のプロデューサーらが紹介するオンライン会見を取材しました。番組は畑で収穫した採れたての野菜や果物を一流シェフが即興でフルコースに仕立て、地元の方々に振る舞う、まさに畑をそのまんまレストランにしてしまう新感覚グルメバラエティー。同局は地方自治体とタッグを組み、群馬・高崎だけでなく、今後、全国展開して地方創生に乗り出すと、レギュラー化に意欲的です。そんな生き生きした雰囲気の会見を取材していると、何だかワクワクしてきました。

 そもそもテレビ東京は「田舎に泊まろう!」や現在、放送中の「昼めし旅」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」など地方を舞台にした番組作りに実績があります。新型コロナウイルス禍でなかなか旅行に行けず、外でおいしい物を食べる機会が減っている人が多い中、この特番は視聴者の支持を得る条件は整っていると言えます。番組ではタレントよりも地元の農家の人が目立つシチュエーションも少なくないようで、これも新鮮。都会では味わえないような人の人情と地元の農家の人しか知らない料理や食材が紹介されたら、レギュラー化の動きも加速するかもしれません。

 会見ではプロデューサーの1人が、ロケ当日の天気がまさかの雨だったことを紹介し、「雨なら雨なりにやるところがテレ東のガチ感」と話していました。また、シェフは当日までどんな食材が収穫されるか分からない中で取り組むガチ感も。長年、テレビ東京を取材していると、まさに、このガチ感はテレビ東京の魅力を引き出す1つと感じます。2007年にあるタレントが地方の一般の民家を訪ね歩き、何とか宿泊させてもらう「田舎に泊まろう!」を密着取材したことがありますが、当時、出演した女性タレントはなかなか泊めてもらえず暗闇と寒さの中、座り込んで泣き出したことを覚えています。これもテレビ東京のガチ感。放送された画面を見たらバラエティー系旅番組ですがドキュメンタリーの雰囲気も漂っていました。

 テレビ東京は斬新な楽しい企画で視聴者を楽しませてくれますが、同局の複数の幹部に発想の源を聞くと、同様に「金が無いから知恵を絞るしかない」と言います。テレビ東京を取材して感じるのは絞った知恵には根底にガチ感というテレビ東京魂のようなものが込められていること。ガチ感のおかげで、バラエティーですが、時に、出演者の人柄や人生などもにじみ出て、どこかドキュメンタリーのようにもなる。バラエテティーながらドキュメンタリー的。これがテレビ東京の魅力の1つだと感じます。

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