松坂桃李が「いだてん」で演じる東京五輪招致の“キーマン”は「すごい熱量の男」

「いだてん」【写真提供:NHK】
「いだてん」【写真提供:NHK】

初めて知った東京五輪招致の舞台裏「これだけ多くの方たちが動いていたんだ」

――脚本を担当する宮藤官九郎さんの作品の魅力をどのように感じましたか。

「東京でオリンピックを開催するまでに、これだけ多くの方たちが動いていたんだと思いました。血と汗と涙と鼻水の結晶、人情、そして、その人たちの生き様をストレートに伝えている。でも、時には変化球で、相手をクスっとさせながらも、クスっとし終わった後に、この人はこういうことをしたかったんだなという風に思わせてくれる書き方をしていると思います」

――大河ならではの魅力はどう感じましたか。

「これだけの長期スパンでの撮影は、(ほかの作品との)一番の差ではないでしょうか。どんなに長くても、連ドラならば1クール3か月です。時を飛ばした描写でも、体の実感として、きちんと沸いてくるというのは大河ドラマならではだと思います」

――1964年の東京オリンピックの舞台裏に関して、改めて知ったことはありますか。

「本当に知らないことだらけで、裏では、こんなことが巻き起こっていたのかという思いです。聖火リレーなど、色んな方たちが考えを振り絞って、“日本の最大お祭り”という瞬間を本気で盛り上がるために、情熱を持って取り組んできた人たちがたくさんいたということが知ることができました」

――ドラマ全体を観て「いだてん」の面白いところをどこでしょうか。

「みなさん、キャラクターが個性的ですね。色んな方が出ている。日本の俳優さんの4分の1は出ているんじゃないですかね。十人十色で、人物像も違うし時代もどんどん変わっていくし、その激動の流れの中で生き抜いた人たちの魅力、輝きを見るだけでも面白さが伝わる作品だと思います」

――来年の東京オリンピックへの期待はありますか。

「開会式はどんな感じになるのか、興味があります。今回の『いだてん』でも、開会式はどうするのか、話し合いました。その日、何が巻き起こるか誰も予想がつかないと思います。僕自身もその瞬間を拝見したいなと思います」

――東京オリンピックのイメージはどうなりましたか。

「東京オリンピックが決まる前の思いで言いますと、ああ、東京にもそんなことがあったんだなと思っていました。『いだてん』という作品で、東京オリンピックの裏側を疑似体験させて頂いて、より身近になった。他人事じゃなくて、いよいよだなという思いです」

――どんな開会式になると思いますか。

「田畑さんが言っていたように、日本最大のお祭りになるんじゃないかなと思います。最後は選手みんなで勝ち負け関係なく、たたえ合う。国籍に関係なく、真剣勝負をして、最後はたたえ合って終わる。そういう流れになればいいなと思います」

――物語はいよいよ1964年の東京オリンピックに向かっていきます。改めて、見どころを教えてください。

「“チーム田畑”が動き出すことで、初回から見ている方からすると、ようやく最初のほうに出てきた人たちが、ポツポツと出始めます。また、新たな違った物語の“波”が生まれると思います。お芝居の空気感も、阿部さんを中心にちょっと空気が変わる。より、コミカルになります。空気が一変して、新しい風が吹き始めて、オリンピック開催までの波が見られると思っています。最後のほうは、初回からの伏線を回収していく。ああ、宮藤さんの脚本だなと改めて実感できると思います」

□松坂桃李(まつざか・とおり)1988年10月17日、神奈川県生まれ。31歳。2008年に雑誌「FINEBOYS」のモデルオーディションでグランプリを獲得。2009年、テレビ朝日「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド役で俳優デビュー。映画は「ツナグ」「マエストロ!」「キセキ」、ドラマは「梅ちゃん先生」「わろてんか」「サイレーン」「ゆとりですがなにか」「この世界の片隅に」など多数に出演。

次のページへ (3/3) すごい熱量の男
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください