元グラドルが明かす“誹謗中傷”の実情「悲しいけど話題になってなんぼという意識」

芸能人のセカンドキャリアを支援する人材紹介会社社員に転身した元グラビアアイドルの私、古崎瞳が、最近の芸能界を中心に世の中の気になる動きに注目するコラム「古崎瞳の目」。今回はSNS上の誹謗中傷がテーマです。

古崎瞳さん【写真:山口比佐夫】
古崎瞳さん【写真:山口比佐夫】

一般企業の社員に転身した元グラビアアイドル・古崎瞳さんのコラム

 芸能人のセカンドキャリアを支援する人材紹介会社社員に転身した元グラビアアイドルの私、古崎瞳が、最近の芸能界を中心に世の中の気になる動きに注目するコラム「古崎瞳の目」。今回はSNS上の誹謗中傷がテーマです。

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 私が誹謗中傷について考えようと思ったのは、5月に女子プロレスラーの木村花さんが亡くなり、7月には女優の春名風花さんの訴訟のニュースを知ったのがきっかけです。訴訟ではツイッターに中傷する内容を投稿した人を特定し、その訴訟で中傷した人との示談が成立しました。

 これは画期的というか、これからの人は絶対にやっていくべき。先陣を切っていただいてありがとうという思いです。今までが無法地帯で、私自身は“たたかれてなんぼだ”“話題にしてもらってありがとう”という環境で芸能活動をしていたので、たたかれても我慢をしないといけない。むしろ喜ばしいことと、なかば洗脳のような感じで活動していました。でも傷ついていたなと、芸能界を辞めてからのほうがより強く感じます。声を出して「良くないんだよ、悪いんだよ、罪なんだよ」ということを、裁判を行い、示談を成立させたことで、今まで軽い気持ちでやっていた人たちに気付いてもらうきっかけになったと思います。

 私がアイドル時代にSNSで中傷されたのは、部屋が汚いごみ屋敷アイドルとしてテレビで紹介された時。「お前がゴミだ」「汚い」「目ざわり」と大量にリプが来ました。有名人になったような興奮もありましたが、書かれている内容は決してうれしくはなかったです。デビューして初めて中傷の内容を目にした時は、悲しくて親に電話した記憶もあります。芸能界、知ってもらっているからたたかれる。少なくとも自分の周りは、悲しいけど話題になってなんぼという意識でした。みんなが傷つかないように、ありがたいことだと、思い込もうとしていました。全然知らない第三者から「死ね」と言われて傷つかないわけがないんです。

 今、芸能界にいる人に言いたいのは、こうした攻撃的な言葉を受け止めないでほしいということ。話題になったことだけを喜ぶ。そして書いてある内容は気にしないこと。こうした中傷に関する記事をリツイートするだけでもいい。私も嫌です、ということをさりげなく表現できると思います。

 中傷する人には、「SNSの向こう側、パソコン、スマホ、文字の向こう側にいる人は生身の人間だよ」と言いたいです。罪の意識のない人が多いので、止めてくださいと言っても気づかないと思います。「これは罪」、声を大にして「訴えます」と言うことで、また、訴訟により中傷する人が特定され、その人がビビることで誹謗中傷が減っていけばいいなと期待しています。

□古崎瞳(ふるさき・ひとみ)1986年5月27日、広島県生まれ。地元でスカウトされ上京し、2006年、自動車雑誌の携帯サイト「ケータイOPTION」クイーンに選ばれデビュー。09年、「日テレジェニック2009」候補生に選ばれ注目された。10年、ソロ初DVD「ひとみHeart」(トリコ)リリースし、「君が踊る、夏」で映画デビュー。14~15年は“汚部屋女子”としてバラエティー番組「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)などに出演。19年8月、引退。19年11月、芸能人のセカンドキャリアを支援する株式会社俺に就職。

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