レコードの良さを再確認、テレビ埼玉の深夜番組が話題に…制作者に聞いた情熱とこだわり

テレビ埼玉で金曜深夜に放送されている音楽番組「ULTIMATE RECORD~Yushu's Collection 60'-70'~」が音楽ファンの間で話題だ。世界的なレコードコレクター、東京都在住のYUSHU氏が所蔵するレコードコレクションを紹介しているのだが、約4分間の番組内では、最初から最後までレコードが廻っているという“斬新”な作りになっている。制作に深く携わっているYUSHU氏に話を聞いた。

YUSHU氏(右)とテレビ埼玉の諸星和義氏
YUSHU氏(右)とテレビ埼玉の諸星和義氏

YUSHU氏に聞く、音楽番組「ULTIMATE RECORD~Yushu's Collection 60'-70'~」

 テレビ埼玉で金曜深夜に放送されている音楽番組「ULTIMATE RECORD~Yushu’s Collection 60′-70’~」が音楽ファンの間で話題だ。世界的なレコードコレクター、東京都在住のYUSHU氏が所蔵するレコードコレクションを紹介しているのだが、約4分間の番組内では、最初から最後までレコードが廻っているという“斬新”な作りになっている。制作に深く携わっているYUSHU氏に話を聞いた。

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 番組がスタートしたのは2019年10月。毎週、1枚のレコードをピックアップして、その中からおすすめの楽曲を流している。映像の構成は、レコードが廻っている様子のほか、レコード盤面などの物撮りなど、レコードそのものの魅力をじっくり伝える番組だ。YUSHU氏はこう言う。

「番組テーマ曲は無く、いきなり冒頭から紹介曲が流れ始め、番組中もレコードを廻し続けるという、これまでにない音楽の届け方をしています。今はYouTubeやネットとかで無料で音楽を楽しめる時代ですが、世界にはまだまだ知られていない、こんなに素晴らしい音楽が有るんだ、ということを伝えたかったのです。当時の本物のオリジナル盤の音はこんなに凄い、と。CD等と比べると、レコードの方が音圧や音質が圧倒的に違います」

 使用するレコードは当時のオリジナル盤だけ。全てYUSHU氏が所有しているものだ。レコード全盛時代は、編集技術はそれほど発達しておらず、レーコーディングに挑むミュージシャンたちは、真剣そのもの。それだけに、レコードからは特別な“ロックスピリッツ”的なシンパシーを感じるという。「レコードに刻み込まれている音を忠実に再生させたい」という思いから、カメラ機材、ターンテーブル、レコード針、ミキサー、ケーブル、レコーダー等のメーカーのスペックには徹底的にこだわった。

 紹介しているのは1960年代後半から70年代初期のサイケデリック・ロックが中心。テレビという特性を生かし、個性豊かなジャケット、レーベル、インサート物の写真も使い視覚でも楽しめる工夫をしている。アーティストや楽曲に関する情報や楽曲が生まれた時代背景、国事情、当時の音楽シーンについても、文字にしてわかりやすく解説。知的好奇心が満たされる“大人の教養番組”を目指している。

「美しさやオリジナル性という点においては、60、70年代のジャケットが、インパクトがあるし、惹かれるものがある。そうしたビジュアル面も伝えたいという思いがありました。紹介するデータに関しても絶対にミスがないように、半角のスペースまでチェックしてやっています。情報についても、海外の新聞や洋書などを参考にして、間違わないようにしています。友人からは『一本のショートフィルムを観ているようだ』と言われました」

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