山田雅人「渡る世間は鬼ばかり」藤岡琢也さん相手に楽屋で磨いた“話術”

かたるための取材がいかに重要か説明してくれた
かたるための取材がいかに重要か説明してくれた

「かたりの世界」は “継承芸”

成瀬「8月に山田さんに語っていただく『川崎憲次郎物語』ですが、初めてお仕事をご一緒して、その徹底した取材ぶりに驚きました。これまで大変だった取材もたくさんあったと思います」

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山田「ありましたね。ボツになったものもたくさんありますし、ワインみたいに寝かしているものもあります。長嶋茂雄さんの天覧試合は20年くらいかけて作りました。村山実さんから聞いた話だけでは偏ってしまうので、長嶋さんに会うまでは作らないって決めていたんです。そしたら奇跡的にお会いできて完成しました」

成瀬「山田さんの『かたり』は、落語のような『噺』とは違いますものね」

山田「そうなんです。僕の『かたり』は歌舞伎や落語といった“伝承”ではなく、“継承”なんです。だから会っていない人の話は失礼にあたるから作れない。『江夏の21球』は、江夏豊さんご本人はもちろん、近鉄の監督だった西本幸雄さんや仰木彬さん、ファーストの栗橋茂さん、広島カープの山本浩二さん、衣笠祥雄さん、さらに主審だった前川芳男さんにも取材しましたから」

成瀬「まさに『シン・江夏の21球』ですね」

山田「そうですね。職業柄ラッキーだったのは、もう会えない人も含めて、これまでたくさんの人にお会いしてお話を聞いてきたので、僕はそれを“継承”していきたいんです」

成瀬「今回の『川崎憲次郎物語』ですが、ヤクルトが14年ぶりのリーグ優勝を果たした92年はケガで1年間投げられなくて、日本シリーズはスタンドで見ながら悔しさを味わっていた川崎投手が、翌年の93年に15年ぶりの日本一でMVPを獲得するという話なんですよね」

山田「ドラマがありますよね。ええ話です」

成瀬「しかし本来でしたらたくさんの人に見てもらいたいイベントですが、今回はコロナ禍でのイベントになるので収容人数も半分以下の30人限定です。山田さんも本来なら今年もたくさんの公演を予定していたとお聞きしました」

山田「2019年は全国で80か所ぐらい公演を行いました。20年は3月から全部延期です」

成瀬「会場で見られない人のために新しい試みで有料配信も行います」

山田「配信はこれまでやったことがないのですが、もしかしたらラジオのような感覚なのかなって思っています。だから今回は舞台のライブ感と配信のラジオ感、両方を届けていかなくてはいけませんものね」

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