TBS井上貴博アナ「いつまで局アナを」から1年…ホラン千秋と再び『Nスタ』月~木曜で勝負の思い

TBS系ニュース番組『Nスタ』(月~金曜午後3時49分)で、メインキャスターを務める井上貴博アナウンサー(39)とホラン千秋(35)のコンビは、今春で8年目になる。今年に入り、NHKを含めて他局が夕方ニュース番組をリニューアルする中、同番組は「分かり合えないところを分かり合えている」という安定の2人が進行を続ける。それぞれは今、何を思うのか。本音の部分を聞いてみた。

TBS系『Nスタ』でコンビ8年目に入る井上貴博アナウンサー(左)とホラン千秋【写真:冨田味我】
TBS系『Nスタ』でコンビ8年目に入る井上貴博アナウンサー(左)とホラン千秋【写真:冨田味我】

他の全局はリニューアルの中、“分かり合えないコンビ”8年目

 TBS系ニュース番組『Nスタ』(月~金曜午後3時49分)で、メインキャスターを務める井上貴博アナウンサー(39)とホラン千秋(35)のコンビは、今春で8年目になる。今年に入り、NHKを含めて他局が夕方ニュース番組をリニューアルする中、同番組は「分かり合えないところを分かり合えている」という安定の2人が進行を続ける。それぞれは今、何を思うのか。本音の部分を聞いてみた。(取材・文=柳田通斉)

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 1年前、井上アナは水~金曜の担当になった。そして、今月25日から再び月~木曜の担当に戻り、ホランと4日連続で番組を進めていく(金曜は日比麻音子アナ)。どういう経緯だったのか。

井上アナ「1年前、40歳が見えてきた中、自分のキャリアをどうするか、局アナをいつまで続けのるか、会社にいつまでいるのかをなど考え出したので、会社と話をさせていただきました。そして、月曜、火曜は社外活動も含めて他の仕事をすることになりました」

ホラン「自分探し?」

井上アナ「本当にそうです(笑)。そして、1年もらえたことで、今までできなかった仕事とか、社外でも接点を持たせていただくことができ、『局アナとして、もっとやるべきことがあって変えるべきことがある』と気付かされました。テレビの歴史でも、ほぼ同時期に他の全局がリニューアルするのは珍しい。その瞬間に身を置けることが非常に光栄です」

 ホランは井上アナと同じタイミングで、2017年春から同番組のキャスターを担当。それ以前に、日本テレビ系『NEWS ZERO』でキャスターの経験はあったが、夕方で3時間のニュース番組に抜てきされた。以降7年間、生放送の前後にも、タレントとして別の現場で仕事をする日が少なくない。

「Nスタが始まったからハードということはないです。逆に毎日同じ時間に同じ職場にいることで、安定した部分はあります。振り返ると、20代のときは1日、3現場、4現場あっても体力で強引にいけました。でも、今は体力があっても、3現場目ぐらいからは頭が働かなくなることが増えてきました。せっかくお声かけいただいたからには、期待に応えられるように、できるだけ無理のないスケジュールに調整しています」

井上アナ「いや、外から見ているとすごい仕事量ですよ。相当です」

ホラン「いや。もっと、働いている人がいるから(笑)」

 その状況下でも、『Nスタ』でのホランの対応力には定評がある。突発のニュースが入り、「ほぼ初見」の原稿が届いても慌てることはない。

ホラン「私はニュースの中身を読むことはないですが、“リード”と呼ばれるニュースの冒頭部分を読むことはやっています。(原稿の内容が)分からない部分に関しては、その場で井上さんやスタッフさんに聞いていますので」

井上アナ「度胸がすさまじい。今日も本番15秒前まで口紅を塗っていましたから」

ホラン「それは内緒にしてよ(笑)」

7年前を振り返った井上貴博アナウンサー(左)とホラン千秋【写真:冨田味我】
7年前を振り返った井上貴博アナウンサー(左)とホラン千秋【写真:冨田味我】

アナウンサーのとって「脅威」のタレント・ホランの適応力

 7年前、コンビを組むことになり、番組のシミュレーションを行った際は無意識に張り合ってしまったという。

井上アナ「30分ぐらいでしたが、コメントを被せ合っていました。お互いが勝ち気で面白かったです」

ホラン「実際に手は出ていないけど、気持ち的には殴り合っている感じです。なんでかは今、考えても分かりませんけど(笑)。そんなスタートでしたが、ちゃんと話をしていくうちに『会話ができる人だ』と思いましたし、始まる前には既に『信頼できる人』という印象でした」

井上アナ「番組始まった思ったのは、ここまでアジャストする人はなかなかいないということです。アナウンサーにとっては脅威です」

 井上アナは予定調和が好きではなく、原稿にないことを口にする。今月13日には、ホランに「ちょっと、うるせえ」と言い、話題になった。テレビ朝日系『出川一茂ホランフシギの会』(火曜午後7時)で、自由過ぎる出川哲郎、長島一茂をうまくコントロールしているホランでも、井上アナに驚かされることがあるという。

ホラン「これはこれで珍獣です(笑)。でも、番組全体として『井上さんがいれば大丈夫』という安心感がみんなにあるんですよ。7年ご一緒するうちに、お互いが『分かり合えないことがあると分かりあえている』という感じでしょうか。それが絶妙に良いバランスなんです」

 8年目に入るにあたり、井上アナはメガネを掛けて出演することを明かした。7年前、当時のプロデューサーから「メガネはしないよね」と言われ、それに従ってきたが……。

井上アナ「いや、単純にドライアイなんです。番組の3時間以外はずっとメガネですし」

ホラン「またまた。本当はずっと掛けたくて仕方なかったんだよね(笑)。で、いくらのメガネなの」

井上アナ「2万5000円。黒縁とべっ甲フレームのメガネを新たに買いました」

 カメラが回ってなくても阿吽(あうん)の呼吸。井上アナが「テレビは批判されているのが正常です。それだけ傲慢な仕事の進め方をしてきた分、ツケが回ってきて当然です。私はエゴサーチをして、全部のご批判を見ています」と言うと、ホランは「傷ついているんだ」と合いの手。井上は「もちろん、傷ついてますけど」と苦笑いで返した。この関係性のまま2人は前進を続ける。

次のページへ (2/2) 【写真】2017年春、コンビを組み始めた頃の井上貴博アナとホラン千秋
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