「エール」で好演 唐沢寿明が語る窪田正孝のすごさ “弱さ”を出せる俳優に

現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」に、主人公の父・三郎役で出演している唐沢寿明が、第11週「家族のうた」によせて撮影にまつわるエピソードや役作りについてコメントを寄せた。三郎は福島で古くから続く老舗呉服店「喜多一(きたいち)」の4代目店主。唐沢は「子どもたちには自分の好きな道を歩んでほしい」と願う三郎を優しく、時にコミカルに演じている。

「エール」(C)NHK
「エール」(C)NHK

主演・窪田正孝が演じる裕一は「彼の真骨頂」その理由は

 現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」に、主人公の父・三郎役で出演している唐沢寿明が、第11週「家族のうた」によせて撮影にまつわるエピソードや役作りについてコメントを寄せた。三郎は福島で古くから続く老舗呉服店「喜多一(きたいち)」の4代目店主。唐沢は「子どもたちには自分の好きな道を歩んでほしい」と願う三郎を優しく、時にコミカルに演じている。

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 主人公・裕一を演じる窪田正孝とはもともと親交があったという唐沢は「今回は、父親役に限らず、どんな役でもオファーがあれば出演するつもりでした」と出演を決めた当時を振り返る。「ちょうど父子のような歳の差でもありますから、いわば父親のような目線で窪田くんを見ていますしね。彼には、もっともっと活躍してもらいたい。そのために、力を貸せることがあればどんどん貸していきたいと思っているんです」と、窪田のために一肌脱ぐ決意をしたことを明かした。

 主演の窪田とは25歳の年の差がありながらも強い信頼関係があるようで、唐沢は「才能ある俳優」とその存在を語る。「どの役でも、そのイメージをちゃんとつかんで、物語の世界に入っていける。作品ごとに違う印象を与えることができる俳優です。『エール』の裕一役は、ある意味彼の真骨頂じゃないかと思いますね。俳優にとって、”強さ”は出せても、裕一のような”弱さ”ってなかなか出せないんですよ。裕一役は、彼の中にある繊細さが存分に生かされた役だと思います」とそのハマりっぷりを絶賛した。

 裕一が直面する様々な困難にも、唐沢演じる三郎は「俺に任せておけ」「俺がなんとかすっから!」と胸を叩く。慣れない福島弁には唐沢も「毎回、自分でもかなり練習して撮影に臨んだのですが、お芝居を合わせるとうまくできない。ちょっと発音が違うだけで、全然違う言葉に聞こえるようで……」と苦戦した様子。

 さらに、「先日『あさイチ』(5月8日・総合)に出演する際に、冒頭で福島弁を使いたいと思って西田敏行さんにレクチャーをお願いしたんです。言いたい文面を西田さんに吹き込んでもらって、その音源を何度も何度も聞いて練習したのですが、それでも難しかったですね。もう僕は、福島弁の才能がないとしか言いようがないです(笑)」とエピソードも披露した。

「エール」というタイトルにちなみ、自身が音楽からエールを受け取ったことがあるかと聞かれた唐沢は、アメリカのバンド「テイスト・オブ・ハニー」による「上を向いて歩こう」のカバー曲(「スキヤキ’81」)を挙げ、「僕、家出少年だったんですよ。若い頃は、いろんな人の家を泊まり歩いていました。そんな 頃によく聞いていました。底抜けに明るい坂本九さんの曲と違って、曲調がとてもしっとりしているんです。聴きながら『上を向かなきゃダメだな』と思わされたことが何度もありました。この曲にはずいぶん救われました」と目を細めた。裕一や物語を見守る視聴者も、三郎の「俺に任せておけ」という台詞に、何度も救われているはずだ。

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