浜田雅功に「女将!」と呼ばれて開眼 バラエティー続々出演の23歳歌手「素のままでいいんだ」

昨年、レコード大賞最優秀新人賞を受賞した田中あいみが、「素」を出してバラエティー番組出演を重ねている。昨年まではおとなしくしていたが、「打てば響く」のキャラクターを見抜いたダウンタウンの浜田雅功に「女将(おかみ)」と呼ばれたことをきっかけに、殻を破った。浜田がMCのTBS系『オオカミ少年・ハマダ歌謡祭★芸能人が年の差ヒット曲バトル!ベテランVSルーキー!』(金曜午後7時)には7月からたびたび出演。持ち前の歌唱力も発揮している23歳にバラエティー番組で感じたこと、今後のビジョンを聞いた。

バラエティー番組出演に備え、スマホにエピソードネタを残している田中あいみ【写真:ENCOUNT編集部】
バラエティー番組出演に備え、スマホにエピソードネタを残している田中あいみ【写真:ENCOUNT編集部】

昨年、レコード大賞最優秀新人賞の田中あいみ

 昨年、レコード大賞最優秀新人賞を受賞した田中あいみが、「素」を出してバラエティー番組出演を重ねている。昨年まではおとなしくしていたが、「打てば響く」キャラクターを見抜いたダウンタウンの浜田雅功に「女将(おかみ)」と呼ばれたことをきっかけに、殻を破った。浜田がMCのTBS系『オオカミ少年・ハマダ歌謡祭★芸能人が年の差ヒット曲バトル!ベテランVSルーキー!』(金曜午後7時)には7月からたびたび出演。持ち前の歌唱力も発揮している23歳にバラエティー番組で感じたこと、今後のビジョンを聞いた。(取材・文=柳田通斉)

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「女将!」。浜田からそう呼ばれるようになったのは、7月某日、『オオカミ少年・ハマダ歌謡祭』の収録休憩中だった。

「最初に出させていただいた時です。前室でタバコをくわえた浜田さんに『君、どこの出身や』と聞かれて、『京都です』と返したんですけど、私にはんなりしつつも、『バシッ』と言う京女のイメージを持たれたのか、『今日から君は女将やな』と言っていただきました」

 田中にとっては、全国放送の初バラエティー番組。手探りだったが、これで吹っ切れた。当時は22歳。「いくつや」と聞かれ、「22です。ダブルピ~ス!」と返すと浜田は笑い、スタッフからも喜ばれた。

「『ええやん、ええやん』って。去年から出させていただいてる歌番組では、関西弁も抑え気味で『テレビでは変なことは言ってはダメ』と思っていました。でも、バラエティーでは素のままでいいんだと感じました。浜田さんからも『君、ウソつけへんタイプやね』と見抜かれました」

 今月13日放送の同番組は、前半がクイズ形式、後半がベテラン世代とルーキー世代のカラオケバトル対決。田中はここでレコード大賞最優秀新人賞の本領を発揮し、『アイノカタチ』(MISIA)、『かもめが翔んだ日』(渡辺真知子)、『Time goes by』(Every Little Thing)を披露。共演者たちに「女将、うまい~」と言わしめた。そして、ベテラン世代の勝利に「おかしいやん」とつぶやくと、浜田から「女将、なんやねん。得点見てブツブツ言うてるけど」と突っ込み。それに「絶対裏でぺペペってやってる」と返し、「やってへんわ」と言われるオチで放送が終わった。

 文字通り、田中の持ち味が出る番組で今月は27日も出演予定。調子に乗って「もう、準レギ(ュラー)ですね」と言うと、浜田からは「ちゃうわ!」と突っ込まれたという。

 その他、田中は8月8日の日本テレビ系『踊る!さんま御殿!!』で、師匠の細川たかしを前に「師匠ですけど、尊敬はしていません」とぶっちゃけ、さんまの度肝を抜いた。理由は細川のもとで長く下積みをしていたわけでなく、21年の日本クラウンのオーディションでグランプリを受賞。それをきっかけに、細川たかし音楽事務所に入った経緯があるからだった。

「師匠の歌も『ああ、知ってる』ぐらいで事務所に入ったので、あんな風に言ってしまいました。すごい方だと思っていますが、師匠がそういうことを言って怒らない人だと分かっているからこそ、言えたのもあります。そして、多くの方に『田中あいみは細川たかしの弟子』と分かっていただいた機会にもなりました」

 9月17日にはTBS系『サンデー・ジャポン』にも出演。父親が自動車整備の会社を営業していたことに絡め、ビッグモーター事件について語った。父は歌の世界に入るきっかけをつくってくれた人だった。

「私、3歳から父に連れられてスナックに行っていました。カラオケはそこで覚え、お客さんとデュエットして500円をもらったりして(笑)。父は『これは預かっておこう』と言って、飲み代にするんですけどね。あれ、返してほしいわ~」

 取材中の話もオチをつける陽キャラ。今後もバラエティー出演のオファーが増えそうで、日々、起きる面白エピソードをスマートフォンに残してもいる。ただ、「歌手なので、歌でお客さんを喜ばせたい」との思いも強くある。

「バラエティーで私のことを知ってくださった方が、私のライブを見に来ていただけるとうれしいです」

 田中は9月から月1回のペースで、東京・神楽坂のTHEGLEEでのワンマンライブ『SOULFUL NIGHT』を開催している。次回は今月19日だ。

「バラエティーに出るようになって、声は倖田來未さん、顔はプロゴルファーの上田桃子さんに『似ている』と言われるようになりました。うれしいです。私もおふたりのように、『かっこいい』と思われる存在になりたいので、歌もさらに頑張っていきます」

 かつて「個性」として伸ばし、4センチあった自爪は5月に切った。地方で営業中に高齢女性に「これじゃ、(家事は)何にもできないわ」と言われたことがきっかけだった。だが、今はトーク力が新たなアピール材料になった。「レコ大で最優秀新人賞を獲得できたことも、番組で言っていただけますし、あらためて支えてくださった方々に感謝していますし、恩返しをしていきたいです」。23歳の女将は“かっこいい女”を目指し、さらにトークと歌を磨いていく。

□田中あいみ(たなか・あいみ) 2000年7月26日、京都市生まれ。京都先端科学大卒。在学中に日本クラウンが開催したオーディションで、約2500人の中からグランプリを受賞。細川たかし音楽事務所に入り、21年11月10日に『孤独の歌姫(シンガー)』でCDデビュー。22年には2枚目シングル『大阪ロンリネス』でレコード大賞最優秀新人賞を受賞。今年5月31日にはシングル『愛の懺悔じゃないけれど』をリリースし、カップリング曲で世良公則&ツイストの『あんたのバラード』をカバー。9月26日には、『悲しい色やね』『大阪で生まれた女』『酒と泪と男と女』など全10曲収録したカバーアルバム『ソウルフル・ソングス』をリリースしている。

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