不動産部門を担当のテレビ局員が、映画監督になれた理由「勢いで企画を提案した」

不動産部門を担当するテレビ局員が、映画監督になった。日本人ギタリストKUNIのミステリアスな素顔に迫ったドキュメンタリー映画『KUNI 語り継がれるマスク伝説~謎の日本人ギタリストの半生~』(佐藤功一監督)が、18日から東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷から公開。同作でメガホンを取った佐藤監督は、1998年にTBSに入社して以来、主に営業職として勤務。その後、BS-TBSコンテンツ編集局エグゼクティブ局長となったが、2022年10月からはTBSホールディングスのリアルティ戦略局不動産マネジメント部に在籍している。

ドキュメンタリー映画『KUNI 語り継がれるマスク伝説~謎の日本人ギタリストの半生~』【写真:Photo by William Hames】
ドキュメンタリー映画『KUNI 語り継がれるマスク伝説~謎の日本人ギタリストの半生~』【写真:Photo by William Hames】

18日、ドキュメンタリー映画『KUNI 語り継がれるマスク伝説~謎の日本人ギタリストの半生~』公開

 不動産部門を担当するテレビ局員が、映画監督になった。日本人ギタリストKUNIのミステリアスな素顔に迫ったドキュメンタリー映画『KUNI 語り継がれるマスク伝説~謎の日本人ギタリストの半生~』(佐藤功一監督)が、18日から東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷から公開。同作でメガホンを取った佐藤監督は、1998年にTBSに入社して以来、主に営業職として勤務。その後、BS-TBSコンテンツ編集局エグゼクティブ局長となったが、2022年10月からはTBSホールディングスのリアルティ戦略局不動産マネジメント部に在籍している。

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

 同作は「TBSドキュメンタリー映画祭2023」の出品作品。佐藤監督は「誘いを受けて、勢いで企画を提案したところ通過してしまった」と振り返るが、その熱いロック魂が周囲を動かした。

「中学生の頃からハードロックファンだったのですが、中でもKUNIがイチ推しでした。彼はLAメタルの本場だったアメリカで成功を収めた人物で、1986年にアルバム『Masque』を発表して以来、これまで4枚のアルバムをリリースしてきました。僕はその全てを聴いてきましたが、昨年、彼と久しぶりに再会した時、『実は闘病生活をしている』と聞かされたのです。彼はアメリカで成功したとは言っても、そのことを日本で知る人は少ない。『だったら、彼の実績を映画を通じて紹介したい』と思ったのです。私も60歳を迎えて『今しかできないことをやろう』『自分にしかできないことをやろう』との思いで、彼の半生を描いてみたいと思いました」

 佐藤監督が話す通り、KUNIは83年に単身渡米。LAメタルのムーブメントの中、孤軍奮闘していた。そして、現地ミュージシャンを従え、86年アルバム『Masque』を発表するなど、世界のへヴィメタルシーンに米国から存在感を示した日本人アーティストの位置付けにある。その歩みを描くべく、佐藤監督は約半年かけ、KUNI本人、関係者、海外ミュージシャンらのインタビュー。ポジティブで多くの人に愛されてきたその人柄を撮り続けた。

佐藤功一監督
佐藤功一監督

 また、日本でデビューをサポートした音楽評論家の伊藤政則氏や当時、渡辺音楽出版に所属し、現在はヒップランドミュージックコーポレーションで顧問を務める田島敏氏、さらにはアルコール依存症となったKUNIを治療し続けた医師も協力している。その過程も踏まえて、佐藤監督は言った。

「絶対にプロになってみせるという信念のもと、アメリカに渡り、彼は仮面をかぶってLAのミュージックシーンのど真ん中に飛び込み、ギタリストとしての地位を築き上げました。その後、日本でも音楽プロデューサーとして活躍していますが、ギターは封印した。なぜ、ギターを封印したのかも含め、ロックシーンの最先端を駆け抜けた彼の謎に迫ります。立場は違いますが、WBCで日本人選手が世界から注目される中でタイミング的にも良かった」

 同作は、今月24日からは大阪のシネ・リーブル梅田、名古屋の伏見ミリオン座でも公開される。

次のページへ (2/2) 【動画】ドキュメンタリー映画『KUNI』予告映像
1 2
あなたの“気になる”を教えてください