恵方巻き商戦、ファミマ“本格焼肉”投入の背景 コロナ禍「縁起物を求める」で市場拡大の可能性

今年も節分の季節がやってくる。恵方巻きを食べて、幸せや幸運を願う人も多いだろう。商戦も過熱する中で、大手コンビニチェーン「ファミリーマート」には秘策があるとのことだ。新型コロナウイルス禍もあって人々が求めるという“縁起物”の需要を見込んでいるといい、予約困難な焼肉店「肉山」が監修したこだわりの新作を投入。その背景とは。

ファミリーマートの新作「『肉山』監修 2929恵方巻」【写真:ENCOUNT編集部】
ファミリーマートの新作「『肉山』監修 2929恵方巻」【写真:ENCOUNT編集部】

予約困難な吉祥寺の焼肉店「肉山」が監修 「節分巻寿司」の市場規模は拡大傾向

 今年も節分の季節がやってくる。恵方巻きを食べて、幸せや幸運を願う人も多いだろう。商戦も過熱する中で、大手コンビニチェーン「ファミリーマート」には秘策があるとのことだ。新型コロナウイルス禍もあって人々が求めるという“縁起物”の需要を見込んでいるといい、予約困難な焼肉店「肉山」が監修したこだわりの新作を投入。その背景とは。

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 ファミリーマートは、2023年の恵方巻きを全10種類用意。全国約1万6600店舗およびファミマのアプリ「ファミペイ」で予約受付を行っている。

 目玉は、東京・吉祥寺の有名焼肉店「肉山」とコラボした「『肉山』監修 2929恵方巻」(税込み888円)だ。「肉山」オーナーの光山英明氏によると、コンビニとのコラボは今回が初めて。開発期間は約6か月で試作は10回重ねて試行錯誤したという。

 こだわりポイントは3つで、「炭火焼きのアンガス牛」「深みのある味わいのキムチ」「肉との相性がいいヤンニョンジャン」だ。

 光山氏は「まさか全国ということで、気合いを入れて商品を作りました。店と同じように、炭火焼きの工程を通して香ばしさ・食べやすさを入れています。キムチは、よりおいしくお肉に合うようにセットしています。ヤンニョンジャンのたれは一般向けに販売していないものです。恵方巻きにマッチする出来になりました。がぶっとかぶりついていただければと思います」と自信を見せる。

 もう1つの新作商品は、2022年の販売金額1位だった「海鮮恵方巻」の具材をさらにぜいたくに仕上げた「贅沢海鮮恵方巻」(税込み1280円)だ。陸奥湾産のホタテ貝柱、ズワイガニほぐし身、有明海産特等級のりが、こだわり具材だ。担当者は「この商品は、のりを手で巻いていただくことで、パリパリ感や香りが楽しめます。付加価値を付けております」と力を込める。

 市場データを見ると、興味深い。同社の「節分巻寿司の市場規模」資料によると、22年の推定市場規模は、前年比111.3%と拡大が見込まれ、「伸長傾向」にあるとのことだ。一時失速したが、コロナ禍以来、20年から回復が続いており、「縁起物を求める傾向があって伸びている」(同社担当者)という。22年の市場状況は、海鮮系の品ぞろえが増加。名店の監修・アニメコラボ商品などコラボメニューが目立ったという。

 同社内の22年の販売データを分析すると、予約が約7割を占める。それだけに、人流回復などの要素に期待して、「弊社は予約を推奨しているスタンスで、特典を付けながら店の注文を獲得できれば。クリスマスの予約が好調に推移したので、恵方巻きについても固定のお客様を抱え込んで伸長につなげたいと考えています」と強調する。

 肉市場全体の伸びにも期待感を持っており、今回、本格派の“焼肉”恵方巻きを堂々の投入だ。「付加価値を付けたいという思いです。ご縁があって、光山さんのご指導を受けて作ることができました。リーズナブルに、老若男女に食べていただけると思っています」。バラエティーに富んだラインアップだけに、食を通した季節の楽しみがより増しそうだ。

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