安斉かれん 新曲作りに専念した1年間を振り返る「愛を持って歌うことの大切さ学んだ」

歌手やモデル、タレントとマルチに活躍する安斉かれんが昨年からチャレンジしてきた7作連続新作配信シリーズのフィナーレを飾る「未来の音」を23日に配信した。音楽を活動の中心に置くと宣言してから1年間、彼女がそこで出会ったものとは?

安斉かれん【写真:舛元清香】
安斉かれん【写真:舛元清香】

ちょっとずつしか成長できていない私を見守ってくれたファンに感謝

 歌手やモデル、タレントとマルチに活躍する安斉かれんが昨年からチャレンジしてきた7作連続新作配信シリーズのフィナーレを飾る「未来の音」を23日に配信した。音楽を活動の中心に置くと宣言してから1年間、彼女がそこで出会ったものとは?(取材・文=福嶋剛)

――1年かけて7作連続配信シングルが完成しましたね。

「そうですね。5作目の『ちゃんと世界線』から9日に配信した『不眠症☆廃天国』まで振り返ると思い出深いですね」

――ではその6作目「不眠症☆廃天国」からお聞きします。今回久しぶりに作曲も担当されましたが、かれんさんの独特すぎる歌詞に驚きました。

「たしかに(笑)。この曲は全体的に私っぽさを出したいなと思って、その場で歌っていたらすごくいいサビが浮かんできて『ラララ♪』で歌っていたら『ララバイだ!』って(笑)。それで子守歌とか夢の続きっぽい曲はどうかなって考えていたら、不眠症のときの頭の中を描いてみるのはどうかなって。眠れないときって、いろんなことを考えてしまい頭の中でグルグルするじゃないですか? そんな状態を曲にしてみました」

――「パナパナな世界」とか意味不明な言葉がたくさん出てきます。

「最初は普通の歌詞だったんですけど面白くないなって思ったんです。だったら思い切って私しか分からない言葉をいっぱい使って頭がグルグルしているところを表現してみようって。『とりあえずまあ』という言葉も『とりま』とかね。でも私だけの言葉を使っても歌にできるんだって発見して、歌詞を書くことがもっと楽しくなりました。これからも取り入れていこうかなって思いました」

――レコーディングはいかがでしたか。

「自分で作詞作曲をしたものがだんだん完成していく工程に立ち会うと、やっぱり楽しいですね」

――ジャケットイメージやミュージックビデオ(MV)も幻想的な雰囲気ですね。

「今回は3種類の私みたいな感じで、初めて黒髪にしたり、夢の中とか夢から醒めたあとの頭がボーっとした感じが映像になっていて。今回私と世代の近い若い監督さんだったのでカメラワークとかも新鮮でおもしろかったですね。ちなみにMVやジャケット写真に出てくるウサギのぬいぐるみは、中学生の頃にいつもノートに書いていたウサギの絵が元になっているんです」

――そしてシリーズラストを飾る7作目「未来の音」も完成しました。

「題名だけを見たらなんか頑張ろうみたいな感じを想像すると思うんですが、割と現実を歌っていて。未来といっても実際は物語に出てくるようなキラキラ感じではないし、だからと言って悲観的でも冷めてもいないしみたいな。そんな未来という言葉を使った現実を歌詞にしてみました」

――以前からおっしゃっていた『地に足をつけて一歩一歩進んだ先が未来なんだよ』というメッセージが歌詞に込められていますね。

「そうですね。そういう日々の積み重ねが未来なので、やっぱり今がないと未来も見えないし、割と私自身が現実的というかリアルなことを大切にするタイプなんです」

――その裏にはこの先に対する不安もあったりします。

「その逆なんです。いつも“なるようになる”と思っていて『不安になるくらいなら今できることをやっとけ』っていうタイプです」

――歌詞は完成までに時間がかかりましたか。

「そうですね。言葉を選びながらだったので『不眠症☆廃天国』よりは明らかに時間をかけましたね」

最近は料理に夢中「美味しかったら正解」【写真:舛元清香】
最近は料理に夢中「美味しかったら正解」【写真:舛元清香】

――今回は「未来の音」が主題歌となっている短編映画にも出演されています。

「そうなんです。『心の中で生まれた実際には存在していない猫を追いかける』というストーリーなんですが、結末を知った後にもう1度見てもらうと、最初の方に感じた違和感の意味がわかるので、是非最低2回は見てもらいたいですね。きっと『なるほどね!』って思ってくれるはずです(笑)。この作品を通じて、『目に見えない自分の可能性を信じ一歩踏み出してみよう』って感じていただけたらうれしいです。個性的なファッションにも注目していただきたいですね」

――あらためて7作連続の新曲配信を振り返ってみていかがですか。

「そうですね。その都度やりたいものをやってきたという感じなんですけど7作品ともすべて違うタイプの曲が出来上がっというのはうれしいです。この1年はすごく長かったようなあっという間だったような……どっちだろう?(笑)」

――1作目のときにおっしゃっていた『安斉かれんの7つの顔を見せる』という目標を達成されました。

「そうですね。1つ1つの曲に気持ちを込めて作ってきたので、毎回ファンのみなさんから『聴いたよ』とか『よかったよ』って言ってくださる感想を読ませてもらうと、ちょっとずつしか成長できていないんですけど、そんな私の姿をいつも見守っていてくれて、そうですね。毎回その愛を持ってやることって大事だなって思いました」

――新しい自分の顔も見えてきましたか。

「自分の中で『もっと自分のここを壊していきたいな』って見えてきたところはありますね」

――ライブはいかがですか。

「5月1日に無観客のライブ配信ですけど初めてワンマンライブをやらせてもらって、めちゃくちゃ緊張はしましたけど超楽しかったんです。やっぱり目の前に人がいる場所で歌いたいです」

――最後にかれんさんの近況をご紹介したいのですが、最近は料理を作っていると聞きました。

「最近ちゃんと作ってるんですよ」

――得意な料理は何でしょうか。

「なんでも作りますけど、そうだな、和風ハンバーグとか。最近はレシピを見ないで味付けもこんな感じかなって分かってきたんで感覚ですね」

――曲作りと似ている部分がありそうですが。

「この前、スタッフさんと話していたら『料理は美味しいという正解があるから楽なんだけど音楽には良い曲っていう正解がないから大変だよね』って。たしかにそうなんですよ。だから音楽をやっている人たちに料理にハマっちゃう人が多いのはそういうことなんですって」

――ちなみに「かれん流和風ハンバーグ」の特徴は何ですか。

「普通に豆腐で作りますけど、そうだ! 最近ちょっと大葉とかをさり気なく使うというのを覚えて、いろんな料理に大葉を入れてます。おいしかったら私の中では正解ですから(笑)」

□安斉かれん(あんざい・かれん)1999年、神奈川県出身。デビュー前から多くのファッションメディアに登場。令和元日の5月1日にavexよりデビュー。2020年最も話題となったドラマ「M 愛すべき人がいて」にW主演として抜てきされる。コスメティックブランド「M・A・C」の店頭ビジュアルの連続起用やカラコンイメージキャラクターを飾るなど、そのルックスにも注目が集まっている。21年9月から7作品連続で新曲を配信し、22年11月23日7作目「未来の音」を配信リリース。

○安斉かれんオフィシャルサイト:https://kalenanzai.com/

○短編映画「イマジナリーフレンド」
監督・脚本:坂部敬史、キャスト:安斉かれん、松本怜生、志水透哉
詳しくは公式HPへ:https://linktr.ee/kalenanzai_official

○新曲「未来の音」
配信:https://kalenanzai.lnk.to/mirainooto
MV:https://youtu.be/lmN5SRhm5Mw
※短編映画「イマジナリーフレンド」主題歌
※「リップスティック @カレン」イメージソング

○安斉かれんのMV全15曲配信開始
dTV:https://bit.ly/3UHOmKb

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