“リアルタイガーマスク”が王者に挑戦 身長差21cm&体重差65kgも「小が大を制すのがプロレス」

「リアルタイガーマスク」こと勝村周一朗が、海外流出したスピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別王座奪還に向け不退転の決意を固めた。

ヒョウ柄のジャケットで吠える勝村周一朗【写真:柴田惣一】
ヒョウ柄のジャケットで吠える勝村周一朗【写真:柴田惣一】

鈴木みのるからのアドバイスで吹っ切れた

「リアルタイガーマスク」こと勝村周一朗が、海外流出したスピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別王座奪還に向け不退転の決意を固めた。

 ガンバレ☆プロレス11月3日、神奈川・横浜ラジアントホール大会で、王者ハートリー・ジャクソンに挑む勝村。身長差21センチ、体重差65キロと体格では苦しいが「柔よく剛を制す、ではないけど、小が大を制する、のがプロレスの醍醐味。体、力ではかなわないけど、機動力、技術、スタミナではボクの方が上」と自信をほのめかした。

 10・22東京・王子大会のタッグマッチによる前哨戦では、王者のパワーには押されたが、得意のサブミッションで何度も追い詰めた。「見えた」と手応えを掴んだ。

 実は横浜は地元だ。自身が運営する「リバーサルジム横浜グランドスラム」を市内に5か所、構えている。門下生はじめ知人、友人が応援に駆けつけてくれる。晴れ姿を期待して集結してくれる人たちの前で醜態は晒せない。

 しかも12月3日にも横浜ラジアント大会が、そして12月27日にはガン☆プロの年内最終戦が東京・後楽園ホールで開催される。「11・3決戦で王座を奪って、12・3決戦に凱旋したい。聖地・後楽園にもベルトを巻いてメインイベント、大トリで入場したい」とプランはすでに出来上がっている。

 中学生の頃からプロレスにはまった勝村。新日本プロレスの闘魂三銃士や獣神サンダー・ライガーに憧れ、全日本プロレス、ユニバーサルプロレスなど、数々の団体を観戦していた。

 レスリングを始めるために、入門したジムで総合格闘技にも取り組む。アマチュアの大会を経てプロ格闘家となり、K-1、HERO‘S、ZESTなど格闘技イベントにも参戦した。

 憧れていたプロレスには2013年から進出し、19年にガン☆プロに入団。格闘家としては20年以上のキャリアを誇り、大会などに顔を出してもVIP待遇を受ける勝村にとってプロレスは「若い人たちと一緒になって、リングを設営したりイスを並べたり、雑用をこなす場。初心を取り戻し、原点に立ち返えられる。僕にとってはオアシス」という。

 プロレスラーとなり中学生のころからの夢を果たしたが、プロレスの奥深さに迷い道にはまり込むこともあった。そんな中、今年の7・10東京・大田区総合体育館大会で「プロレス王」鈴木みのると一騎打ちに臨んだ。

 久しぶりに声出しOKとなった会場で、みのるにすべてをぶつけた。ゴッチ式パイルドライバーに敗れたものの、試合後にみのるから「お前はお前だ」「やりたいようにやればいい」「そのままでいけ」などとアドバイスを受けたという。

「このままでいいんだ」と吹っ切れた勝村。得意とする「クイック関節」でジャクソンを仕留めればいい。「いくつか、まだ繰り出していない技がある」と「勝村スペシャル」の初公開もほのめかした。

 かつて児童養護施設に勤めていたことから、勝村は“リアルタイガーマスク”と呼ばれるようになった。異名通りの俊敏な動きから、瞬時に二回りも三回りもでかいジャクソンを仕留める。SOG王座ベルトを高々と掲げる栄光の瞬間が見えてきた。

次のページへ (2/2) 【写真】鈴木みのると激しい攻防を展開する勝村周一朗
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