「1日開けても、1人もお客が入らない日も」今、全国のミニシアターで起こっていること

入江悠監督
入江悠監督

映画製作者側から支援の動きも…「AI崩壊」の入江監督がSNSで支援方法提示

 一方、映画製作者側からの支援の動きもある。「AI崩壊」などで知られる入江悠監督は4日の自身のブログで「全国ミニシアターを応援したい/各劇場への支援方法」と題する投稿を行ったところ、SNS上で多数シェアされている。「良質な映画館をやられている方は、あまりお金稼ぎに興味がなく、ただ『映画が好きだ』という思いでやられている人が多い。そして、こういうミニシアターが消えると、その町では良質なインディペンデント系映画やドキュメンタリーは観られなくなる」と記し、全国のミニシアターが展開しているクラウドファンディングや会員募集のリンク集を提示した。ほかの映画監督もクラウドファンディングでのプロジェクト立ち上げを計画しているそうだ。

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 政府は新型コロナによる大幅減収による企業や個人への救済措置を徐々に示しているものの、なぜか、エンターテインメント産業への救済には消極的だ。このままでは新型コロナの終息を待たずして、消えていくミニシアターもあるだろう。もちろん、そんな危機にあるのはミニシアターだけではない。すべてのエンターテインメント産業であり、国民全体の問題だ。今、求められているのは、全ての国民、全ての産業への速やかな救済である。しかし、それがなされないなら、まずは個人ができることから動くしかない。

 入江監督は先の投稿で「金銭的に余裕があれば、近くの映画館や気になる映画館へ寄付のつもりで募金してもいいし、未来のリターンを期待してお金を投じても良いだろう」「コロナ禍が去ったあと、全国のミニシアターの灯がひとつも消えていることなく、またあのスクリーンを見つめられることを願って」と書く。エンタメの灯が消えないために、自分たちは何ができるのか、私自身も考えていきたい。

次のページへ (4/4) 京都にある「出町座」の館内
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