WWE「レッスルマニア36」開催直前 王者ブロック・レスナーに挑戦するドリュー・マッキンタイアへの期待感

「ロイヤルランブル」制覇で王座挑戦権を獲得したマッキンタイア/(C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.
「ロイヤルランブル」制覇で王座挑戦権を獲得したマッキンタイア/(C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.

ロイヤルランブルを制しWWE最高峰への挑戦権獲得

 同年8月にはスマックダウンに再昇格し、ビンス・マクマホンの“お気に入り”として売り出された。「未来の世界チャンピオン」とビンスから直々に紹介され、連勝街道をばく進。12月にはジョン・モリソンからインターコンチネンタル王座を奪取し、たとえ負けたとしても“なかったことにされる”というキャラクターでチャンスを勝ち取ったのだ。

 12年9月にはヒース・スレイター、ジンダー・マハルとともに3人組ユニット“3MB(スリーマンバンド)”を結成した。ロックバンドキャラとなるも、こちらはいまひとつブレイクできぬまま、退団とともに自然消滅。その後はEVOLVE(エボルブ)をはじめとするアメリカのインディー団体で試合をするようになる。

 15年に入りTNA(現インパクト・レスリング)と契約をかわす一方で、ジョニー・ガルガノとダブルタイトル戦をおこなって勝利。自身のEVOLVE王座を防衛するとともに、DRAGON GATE USA(ドラゲーUSA)のオープン・ザ・フリーダムゲート王座を獲得した。ドラゲーUSAながら、(WWE日本公演参加を除き)数少ない日本との接点だ。16年3月にマット・ハーディーからTNA世界ヘビー級王座をかっさらったドリューだが、17年4月、「NXTテイクオーバー:オーランド」で客席の中にいるところが映し出されWWEにカムバック、契約後にリングネームをドリュー・マッキンタイアに戻した。NXT王座も獲得したドリューは18年4月にロウ昇格、ドルフ・ジグラーとのコンビでロウタッグ王座を奪取している。

 そして今年1月26日の「ロイヤルランブル」。30人参加のランブル戦で16番目に登場すると、それまでスタートから13人連続で退場させるという圧倒的強さを見せていたブロック・レスナーを得意のクレイモアで排除。WWE王者ながらも1番手入場で優勝というレスナーの目論見を一発で崩壊させてみせたのだった。その後もドリューの勢いはとまらず、リコシェ、ザ・ミズ、キング・コービン、セス・ロリンズ、ローマン・レインズを蹴落としてロイヤルランブル制覇を達成。見事、「レッスルマニア36」におけるタイトル挑戦権を獲得したのである。

 もちろん、ドリューが選択したのはレスナーが保持するWWE王座へのチャレンジだった。最高位の世界王座挑戦は初めてなだけに、ある意味抜擢でもあるのだが、ここまでのキャリアを考えれば、上層部のお気に入りという部分も含めて、満を持してのタイトルマッチということにもなるだろう。スコットランド時代のライバルだったライオンハート(本名エイドリアン・マッカラム)は、昨年6月に36歳の若さで死去、日本では無名だが、訃報を聞いた“ザ・ロック“ドウェイン・ジョンソンが追悼のメッセージを寄せていた。ライオンハートは大のザ・ロックのファンでもあったのだ。若手時代のライバルが果たせなかった夢も心に秘めて、ドリューはレッスルマニアでのタイトル戦に臨むのだろう。

 スコットランドから掴むアメリカンドリームまで、あと一歩だ。
(日付はすべて現地時間。文中敬称略)

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