福地桃子が当て書きヒロインで新境地 新鋭女性監督が「知らない私を引き出してくれた」

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やテレビCM「ウメッシュ」でおなじみの女優・福地桃子(24)が映画「あの娘は知らない」(9月23日公開)に主演した。「真っ赤な星」の新鋭女性監督・井樫彩とのタッグ。初めて企画から参加した映画で感じたことは?

映画「あの娘は知らない」で主演を務める福地桃子【写真:ENCOUNT編集部】
映画「あの娘は知らない」で主演を務める福地桃子【写真:ENCOUNT編集部】

主演映画「あの娘は知らない」 初めて企画から参加

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やテレビCM「ウメッシュ」でおなじみの女優・福地桃子(24)が映画「あの娘は知らない」(9月23日公開)に主演した。「真っ赤な星」の新鋭女性監督・井樫彩とのタッグ。初めて企画から参加した映画で感じたことは?(取材・文=平辻哲也)

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 大河ドラマのほかにも、7月期の日本テレビシンドラ「消しゴムをくれた女子を好きになった」、映画「サバカン」(公開中)に出演するなど多忙な日々を過ごす福地。「あの娘は知らない」は今までとは違った成り立ちの映画だった。

 本作は海辺の町を舞台にそれぞれ喪失感を抱える男女の出会いと再生を描いたドラマ。福地が所属するレプロエンタテインメント主催の映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」グランプリ受賞作の映画化で、最初から主演に福地を想定していた脚本だったのだ。「事前に監督とお話しする機会があり、そこから当て書きをしていただきました。一から映画ができ上がっていく過程を見させていただきました」

 福地が演じるのは、海辺の町で旅館を営む中島奈々。幼い頃に家族を亡くし、自分の気持ちを誰にも打ち明けずに淡々と日々を過ごし、休業中の旅館に1人の青年(岡山天音)が訪ねてくる。青年は、1年前に恋人を亡くしており、その足跡をたどる青年とともに、町を巡っていく……。

 東京生まれ、両親も健在、5人きょうだいと家族にも恵まれた福地の境遇と、孤独なヒロインはまったくかけ離れている。「見た方は、どこが当て書きなのか、どういうことだろうと思うかもしれません。井樫さんとお話しするなかで、普段は人に話さないようなことも話しました。今思うとなぜあのとき自分が身近な人の話をしたくなったのか、自分でも気がつかないところで私を引き出してくれたのかな、と思います」。

 撮影は昨年6月、伊東市でロケ。「井樫監督から、技術面で具体的に何かを求められることはほとんどなく、その場で生まれたものや感じたことを表現しました。岡山天音さんとの共演は初めてでしたが、一緒に過ごす中で変化したものを天音さんに引き出してもらった気がします。少しずつ、自然に距離が縮まっていく。いろんな感情が入り混じっているような気がしますね」と振り返る。

撮影を終え、「これからの多くの出会いにつながる大切なものになった」と笑顔を見せた【写真:ENCOUNT編集部】
撮影を終え、「これからの多くの出会いにつながる大切なものになった」と笑顔を見せた【写真:ENCOUNT編集部】

「どのように受け取ってもらえるのかドキドキするところはあります」

 映画では、家族やその土地を愛しながらも葛藤する気持ちが描かれる。「家族との思い出が残っている土地で育ち、誰かの手を差し伸べてもらえないと、なかなか抜け出すことができない。ちょっと時間がたって、映画を振り返ると、撮影期間中の自分もそういう状況に置かれていました。どこかずっと孤独に感じていて、最後の最後に井樫さんとお話をしてほっとしました」

 映画には、普段の福地とは違う表情が映っているようにも見える。「きっとどちらも自分なのですが新鮮に感じる方が多いと思うと、どのように受け取ってもらえるのかドキドキするところはあります。この作品は自分にとってこれからの多くの出会いにつながる大切なものになりました。今後もさまざまなご縁を大切に丁寧にやっていけたらいいかなと思っています」。当て書き映画での新境地を機にさらなる飛躍を誓った。

□福地桃子(ふくち・ももこ)1997年10月26日、東京都出身。2019年、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の夕見子役が話題に。テレビドラマ「#リモラブ~普通の恋は邪道~」、「女子高生の無駄づかい」、映画「あの日のオルガン」(平松恵美子監督)など幅広く出演。22年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、7月期の日本テレビシンドラ「消しゴムをくれた女子を好きになった」。出演映画「サバカン」(金沢知樹監督)が公開中。

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