注目集める若手女優・園田あいかの素顔 5歳から芸能活動、14歳で単身上京「不安はなかった」

“ネクストブレイク”の期待がかかる園田あいかは、地元・熊本で5歳から子役活動をスタートさせた19歳。中学生で単身上京、紆余曲折を経て見つけた役者というやりがい。はやくも芸歴15年を数える園田の素顔に迫った。

「ビーバップのおっさん」でヒロイン役を務めた園田あいか【写真:舛元清香】
「ビーバップのおっさん」でヒロイン役を務めた園田あいか【写真:舛元清香】

「日本アカデミー賞」は「夢というよりも現実的な目標」

“ネクストブレイク”の期待がかかる園田あいかは、地元・熊本で5歳から子役活動をスタートさせた19歳。中学生で単身上京、紆余曲折を経て見つけた役者というやりがい。はやくも芸歴15年を数える園田の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)

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 1980年代に一世を風靡(ふうび)した映画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズ。そんな名シリーズのオマージュ作品「ビーバップのおっさん」(旭正嗣監督)が24日から全国で順次公開される。そんな話題作で園田はヒロインの美穂を演じている。

「初めてヤンキー映画のヒロインに選んでいただいて、素直にすごいうれしかったです。家族愛もあれば、『ビー・バップ・ハイスクール』にちなんだアクションあり、友情ありでどの世代の方が見ても何か心に残る作品だなと思います」

 現場には“コワモテ”の共演者が集結したが、「すごく優しい現場でした」と振り返った。

「ヤンキーや怖い人は、熱いものを持っているというイメージがありました。撮影もみんな独特な髪型で怖い顔の人がたくさんいましたが、とても優しいというギャップで現場は和やかな雰囲気でした。私も白井(光浩)さんとすごい仲良くさせていただきました。お昼ごはんに大好きなホタテのおすしを差し入れしてくださったり。笑顔にあふれた現場でした」

14歳で単身上京をしたころの思いを語った園田あいか【写真:舛元清香】
14歳で単身上京をしたころの思いを語った園田あいか【写真:舛元清香】

 そんな園田が芸能活動をスタートさせたのは実に14年前までさかのぼる。

「私は元々すごいおとなしい性格で、お母さんの後ろにずっと隠れているような子でした。だけど、3歳のときにテレビを見ていて、『この中に入りたい』『どうやって入ったらいいんだろう』と人見知りながらに思ったんです。それでお母さんに事務所を探してもらったりしてもらう中で、5歳のときに熊本の事務所からスカウトしていただきました。社長さんからは礼儀を1から全て教えていただきました。そこで人前に出ることが好きになったんです」

 その後、子役活動などを熊本で続けていたが、中学生だった14歳で単身上京を決断した。

「当時は怖さや不安はまったくなかったです。私はすごい好奇心旺盛なので『行く行く!』って。お父さんは大反対だったんですけど、お母さんは『あいかのやりたいことをやりなさい。あいかはなんでもできるけんね! 全部応援するよ』と言ってくれてました」

 上京後は「校庭カメラアクトレス」(後の「カメトレ」)として2017年から20年まで活動。「当時は本当に選択肢がたくさん広がっていました」と語るように、ラップやダンス、演技などさまざまな挑戦を続けた。

 そんな中で転機になったのが21年に公開された短編映画「Smile」(空下慎監督)だった。映画初出演ながら主演に抜てきされ、「2021青春映画祭」で優秀女優賞、米ラスベガス「短編映画コンクールVegasShorts」でも最優秀女優賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けた。

「『Smile』はカメトレ在籍中にオーディションがあって合格できました。神様が次の山を作ってくださったんだと思います。『あなた役者やってみたら?』って言われたのかなって。いろんな賞をいただいたことで、“私がやりたいこと”と“人が求めてくれていること”が一致した感覚がありました。アイドル活動をしているときは『あれ? 私ダンスと歌でこれから生きていくのかな』『これは趣味でもいいかな』と思ってしまうことがありました。仕事はお金をいただくということなので、それに見合った努力や集中ができるものじゃないとダメだと思うんです。私にとってそれが役者なんだと気付けました」

「ZIP!」レギュラー出演中の園田あいか【写真:舛元清香】
「ZIP!」レギュラー出演中の園田あいか【写真:舛元清香】

「ブレイクとか旬なものになりたいとは思っていない」

 自身について「HSS型HSP」だと明かした園田。「好奇心旺盛だけど、いざ挑戦してしもどこかで警戒してしまう。繊細だけど挑戦したがりな性格なんです。なので、つらい時期もありましたが、やっと役者というやりがいにたどり着けました」と飛び切りの笑顔を見せた。

「私はすごい不器用なので、自分本位と相手本位がごちゃごちゃになってました。自分本位すぎたら人をおろそかにしてきつくなって、相手本位にしたら自分をおろそかにしてきつくなって……。それをずっと繰り返して、たどり着いたのが人を楽しませることが自分のためになるということでした。人の役に立てているときがすごい幸せなんです。私にはこの表現のお仕事しかないって、本当にここ最近気づいたんです。いろんなことに挑戦できたからこそ、自分の軸を見つけることができました」

 4月からは朝の情報番組「ZIP!」(日本テレビ系)の「キテルネ」コーナーにレギュラー出演。9月公開の藤井道人監督の話題映画「名もなき一篇 東京モラトリアム」にも出演するなど話題に事欠かない。“ネクストブレイク”と注目されることも増えてきたが、当の本人はマイペースだ。

「ブレイクとか旬なものになりたいとは思っていないんです。ずっとこの仕事を続けていきたいので、ブレイクというよりも『今日も出てる!』が長い間続いていけばいいなと思っています。私の中では、1歩ずつ階段を上れていると思うので、いきなり“ガッ”といくよりも『いつのまにかこんなところにいた!』というのが理想です。私は人生は点だと思っているんです。それをつなげていったら線になっていたという人生にしたいので、つねに今を大事にしていきたいです」

「日本アカデミー賞」という目標を明かした園田あいか【写真:舛元清香】
「日本アカデミー賞」という目標を明かした園田あいか【写真:舛元清香】

 9月3日には20歳という節目の誕生日を迎える園田。「毎日学ぶことを忘れずに、視野を広げていきたいです。それが自分の自信にもなると思っています。後は、お酒には飲まれないように生きたいですね」と無邪気に笑った。

 取材中もコロコロと表情を変え、感情表現豊かに受け答えしていた園田だったが、目標を尋ねると「日本アカデミー賞」と真剣な表情に一変。「まだまだ序の口です」とほほ笑みながらも「夢というよりも現実的な目標です」と答えた声は力強かった。

□園田あいか(そのだ・あいか)2002年9月3日、熊本県出身。マドリード国際映画祭 最優秀外国語短編映画賞受賞を受賞した映画「Smile」(21年)にて初映画出演、初主演を果たして、女優デビュー。その後も、映画「賭ケグルイ」「妖怪シェアハウス」などの話題作に次々出演。1st写真集「園田あいかです。」も好評。映画・ドラマ・舞台・バラエティーとジャンルを問わず多岐にわたって活躍の場を広げ今もっとも注目されている女優の1人。

□「ビーバップのおっさん」
出演者:白井光浩、清水宏次朗、直江喜一、村澤寿彦、杉浦幸、脇知弘、永山たかし、園田あいか、杉本愛里、岩田まあり、古今亭志ん輔(特別出演)、小沢和義ほか
製作:ラフター
エグゼクティブプロデューサー:塩月隆史
脚本:今井ようじ
監督・プロデューサー:旭正嗣
○8月11日には、大阪朝日生命ホールにてプレミア上映予定

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