ツーリング×神社の新スポットが脚光 バイク歴46年・63歳仕掛け人の“自腹”企画

「ライダーズ神社」は今年4月に銚子市で4社目が旗揚げとなった【写真:ENCOUNT編集部】
「ライダーズ神社」は今年4月に銚子市で4社目が旗揚げとなった【写真:ENCOUNT編集部】

「“全国御朱印ツーリングラリー”なんてできれば面白い」

 そもそもの神社へのアプローチは、知人のつてを頼って、都内の神社の宮司から鴨川・天津神明宮の宮司の紹介を受けた。地域振興への思いを語り、熱心にプレゼンして理解を得た。条件面が合わずに断られる神社もあったが、協力してもらえる神社を探して回った。いざイベントを行う際は、地域住民から当初は、「暴走族が来る」「大丈夫なのか」と不安な気持ちを伝えられていたが、参加ライダーたちはしっかりとマナーを守って常識的な行動で楽しんだ。こうして賛同を得ることができた。また、宮司側からは「ライダーの皆さんが神社に来た際に、『事故を起こさないように』と、安全運転のために気持ちを切り替えてくれる。それだけでいいんです」という言葉をもらっているという。

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 矢野さんは高校2年で原付免許を取得してから、バイクの道へ。バイク雑誌の編集者や車・バイクの撮影用ドライバーを経験し、“我が道”を歩んできた。6年前にバイク運転時に自動車との事故に遭い、リハビリに約半年を要した大けがを負った。バイクイベントを立ち上げる前には両親を亡くした。ソロツーリングが大好きで日本中を駆け回り、フェイスブックのグループも主宰している。現在の愛車は、「カワサキZ650」(1976年製)と「ホンダCBR250R」(87年製)の2台。「60歳を超えて、あと何年バイクに乗ることができるのか。そう考えたら、やりたいことを全部やらないと、と思うようになりました。やりたいことをやる、そう決めたんです」と、胸の内を明かす。

 実は、運営団体「チバイク」はあくまで任意団体だ。昨年まで2人で切り盛りしてきたが、現在、イベント時はバイク仲間7人のボランティアの助けをもらっている。今後、NPOまたは一般社団法人化を検討。それに、「ライダーズ神社」は商標登録済みだ。「1年目が40万円の赤字で、2年目は20万円の赤字。3年目は赤字が10万円になって、今回のイベントはトントンかな。それでも、100万円ぐらいは全部自腹。そろそろ貯めていた小遣いでは、もたないかも」と笑う。

 次は東葛地域での旗揚げを目指す。夢は大きく、全国も視野に入れている。「例えば、関東・東海・近畿などブロックごとにライダーズ神社を旗揚げして、“全国御朱印ツーリングラリー”なんてできれば面白いですよね。町おこしにも貢献できれば」と目を輝かせた。

□矢野正人(やの・まさと)1959年、東京都生まれ。駒澤大学卒。バイク雑誌の編集者などを経てメンタルトレーニング講師に従事。バイクの愛車は「カワサキZ650」と「ホンダCBR250R」。最近は、SUP(サップ)とシーカヤックにハマっている。

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