バッドボーイズ佐田、暴走族総長時代は300人の頂点 撤廃した先輩の「悪しき慣習」とは?

初公開の自宅リビング【写真:(C)渡辺昌彦/「佐田のホビー」(KADOKAWA)】
初公開の自宅リビング【写真:(C)渡辺昌彦/「佐田のホビー」(KADOKAWA)】

「特攻の拓」はバイブル 福岡で暴走族の総長に

 DIYの腕は子どもの頃から学んだものだ。

「子どもの頃から工具を持っていて、自転車をいじるのにしても、結局六角レンチとかスパナがいるので、それはずっと持っていたんですね。何か物を作るときにはインパクトドライバーも便利。隣の家のおじいちゃんが大工さんだったから、小学校の頃から英才教育じゃないですけど、カンナの削り方やのこぎりの使い方、金づちの使い方、くぎの打ち方だとか、そういうのは教えてもらっていましたね。実家は塗装屋だったので、塗り方とかマスキングとか養生とかも習っていました」

 部屋の内装からテレビ台、テーブル、いす、ウオーターサーバーカバーまで。資格は「車の免許とバイクの免許以外、持っていないです」というから、まさしく趣味が高じた孤高の職人だ。既製品より安く、理想の寸法、形で仕上げることができるのがDIYのだいご味。「DIYで番組に出させてもらうときも『これを作って』と言われるのじゃなく、僕のアイデアで作っています」と力を込めた。

 一方、本の中には佐田にとってお宝のページもある。漫画家の所十三さんが高校時代の佐田の姿を描き下ろしたイラストが掲載されている。

 中高時代、漫画「疾風伝説 特攻の拓」に憧れ、同作に登場する暴走族「魍魎」の頭・一条武丸に心酔した。武丸の髪型は金髪リーゼントで、イラストでは佐田も同じヘアスタイルに特攻服を着てバイクにまたがっている。「いや、もう一生の宝物ですね。飾っておきたいです」と感無量の表情を浮かべた。

 バイクを好きになったのも、漫画の影響が大きいという。「特攻の拓でバイクの種類を勉強したっていう感じですかね。子どもの頃ってバイクなんか知らないんですけど、特攻の拓を見て、インパルスだったり、ヨンフォアだったり、CBXとかリアルに出ていたから覚えました。あんまりヤンキー漫画でバイクの名前が出てくる漫画はなかったんですよ」

 地元福岡では高校時代、総勢300人の暴走族の頂点に立っていた。自身のチームは20人ほどで、あとは他の地域のチームだった。どんな総長だったのか。

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