東大卒のミステリー界・新世代エースが放つ文学賞受賞短編、“異例”の全文無料公開

ミステリー界の新星として注目を集める作家・結城真一郎氏の最新作「#真相をお話しします」(新潮社)が、6月30日に刊行されることが決まった。同作収録の「#拡散希望」は、ミステリー界で最も権威ある文学賞の1つ「日本推理作家協会賞」で第74回短編部門を受賞。今回、この受賞短編「#拡散希望」を全文収録した無料お試し特別版の配信が各電子書籍書店で開始され、新潮社HPにも全文が無料公開となった。目玉作品の全文公開は、大手出版社・新潮社による異例の取り組みと言える。

ミステリー界の新星として話題の作家・結城真一郎氏
ミステリー界の新星として話題の作家・結城真一郎氏

結城真一郎氏の最新作「#真相をお話しします」収録の「#拡散希望」

 ミステリー界の新星として注目を集める作家・結城真一郎氏の最新作「#真相をお話しします」(新潮社)が、6月30日に刊行されることが決まった。同作収録の「#拡散希望」は、ミステリー界で最も権威ある文学賞の1つ「日本推理作家協会賞」で第74回短編部門を受賞。今回、この受賞短編「#拡散希望」を全文収録した無料お試し特別版の配信が各電子書籍書店で開始され、新潮社HPにも全文が無料公開となった。目玉作品の全文公開は、大手出版社・新潮社による異例の取り組みと言える。

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 東大法学部卒業の経歴を持ち、2018年に「名もなき星の哀歌」で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し19年にデビュー。その後もコンスタントに作品を発表し続けている結城氏。21年の第74回日本推理作家協会賞短編部門の受賞は快挙達成だ。本賞の受賞は平成生まれ(平成3年、1991年)の作家としては初めてで、短編部門では第2回山田風太郎、第48回加納朋子に次ぎ、史上3番目の若さでの受賞となった。選考会では二転三転するプロットや伏線回収の巧みさ、YouTuberを題材にしたテーマの現代性などが高く評価された。

「#真相をお話しします」は、家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子どもです」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子どもが4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、現代日本のいまとミステリーの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録している。

 今回、いち早く本作を読んだ書店員から絶賛コメントが届いた。「どの短編も、読んでいて何らかの違和感を感じるはずだ。そしてその違和感は、間違っていない。ただその展開があまりにも想定外、『驚愕』の一言ではとても片づけられない。物語世界が文字通りひっくり返るぞ。これが結城真一郎の本当のすごさだ!」(啓文社西条店・三島政幸さん)。「絶対に何か良くないことが起きると感じつつも、体は“その結末”を求めてしまう。―彼らを侮らないほうが良い―まさにこの言葉に凝縮された、ヒヤリとさせる短編集でした」(紀伊國屋書店仙台店・齊藤一弥さん)

 さらに、新潮社社内各部署の反響も大きいようで、「仕掛けられた罠の連続に思わず『えっ!』と声が出てしまうこと、間違いありません! 現代的なテーマにミステリーを織り交ぜたかつてない読み味は、今だからこそ、結城さんだからこそ書けたと断言します。ミステリー界の新エースによる勝負作、どうか乗り遅れずに目撃ください!」(プロモーション部・秋山優さん)、「怒涛(どとう)の伏線回収! イヤミスの上位互換! 無象が満たす欲求の先の恐ろしい真実に驚嘆させられました。読み進めるとどこかで本当の醜い自分に出会ってしまう、これこそ今読むべきヤバイミステリー」(装幀部・内山尚孝さん)、「精密機械のごとき緻密な構成と、無慈悲なまでの『どんでん返し』の波状攻撃に、もうフラッフラです。読者と時代の先を行く新時代のミステリー、全力で推せます!」(出版部・村上龍人さん)。日本ミステリー界の新世代エースによる“仕掛け”にさらなる注目が集まりそうだ。

次のページへ (2/2) 【写真】日本ミステリー界の新世代エースが繰り出す“イヤミス”&伏線回収…「#真相をお話しします」予告カバー
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