SKY-HI「カリスマってもはや存在しない」 注目を浴びる経営者としての“リーダー論”

ラッパー、社長、プロデューサーでもあるSKY-HIが15日、自身初のエッセイ「晴れるまで踊ろう」を上梓した。2021年、日本テレビ「スッキリ」の番組内で放送されたオーディション「THE FIRST」は、一躍人気コーナーとなり、SKY-HIという名前は、一気にお茶の間の幅広い層へと広がっていった。著書はそんなSKY-HIのここ数年の出来事や現在の心境を軸に過去の自分と向き合いながら、どこまでもストレートに、そしていつもと変わらない自然体でつづっている。

SKY-HI【写真:大野 隼男(えるマネージメント)】
SKY-HI【写真:大野 隼男(えるマネージメント)】

SKY-HI、初のエッセイで見せた素顔

 ラッパー、社長、プロデューサーでもあるSKY-HIが15日、自身初のエッセイ「晴れるまで踊ろう」を上梓した。2021年、日本テレビ「スッキリ」の番組内で放送されたオーディション「THE FIRST」は、一躍人気コーナーとなり、SKY-HIという名前は、一気にお茶の間の幅広い層へと広がっていった。著書はそんなSKY-HIのここ数年の出来事や現在の心境を軸に過去の自分と向き合いながら、どこまでもストレートに、そしていつもと変わらない自然体でつづっている。(取材・文=福嶋剛)

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――著書のタイトル「晴れるまで踊ろう」は、SKY-HIさんのポジティブな面とアクティブな面、両方を表している言葉ですね。踊ることはダンスそのものでもあり、同時に人生をエンジョイするための行動そのものを指す言葉でもあります。

「そもそも名前がSKY-HI(=日高光啓)ですからね(笑)。昔から空とか天気に関係する言葉に縁があるんです。今回、本に書こうと思ったことは天気に例えると長かった曇り空から日が射して晴天になるまでの話になります。だけど僕自身、曇り空や雨が降り続いている間、ずっと耐えて我慢してきたかというとそうじゃなくて、傘をささずにずっと踊り続けていたんです。時には冷たい雨に打たれてずぶ濡れになるような、そんな大きな壁にぶち当たることもありましたが、その分、得たものも多かった。だからいつか晴れるときがくるまで踊り続けようって。その瞬間を楽しんでいたことに間違いはないんです」

――きっとこの先、雨でも晴れでもずっと踊り続けていくんでしょうね?

「『晴れても踊ろう』ですし、毎日寝るまでずっと踊り続けています(笑)。踊ることは子どもから大人まで心のドアの開く大切なことですから、気に入ったタイトルが付けられました」

――エッセイを書くことは楽曲を作ったり、リリックを書くよりも素の自分をさらけ出す大変な作業だったのでは?

「確かにセンシティブなものだと思っていたんですが、意外と特急で書けました。会社を立ち上げてから2年ぐらい、ファンクラブとオンラインサロンの中間的なコミュニケーションツールを使いながら、ファンのみなさんに向けて今回のエッセイにつながるような手記を毎日のように書いているんです。だから僕自身のことをみんなに伝えるのはまったく抵抗はなかったです」

――はじめに「これは僕のドキュメンタリー」と書かれていました。その言葉通り、日常のヒリヒリ感とワクワク感が背中合わせの様子が文章から伝わってきました。

「確かに両方ありますね。本当にヒリヒリしているし、ぶっちゃけ不安をクローズアップしていけばとめどなく不安があふれてきますけど、一方でワクワクやヒリヒリをその場その場で選択しながら自分自身で楽しんでいるくらいの余裕があるのかもしれないです。きっと生きているという実感をヒリヒリ感やワクワク感から得ているんだと思います」

――中でも経営者として会社を立ち上げたときのヒリヒリ感は、これまでとは比較にならなかったのでは?

「特に2020年に会社を立ち上げて最初の1年間のヒリヒリ度合いは、これまでとは全然違いました。『こうやって会社を大きくしていきたい』という漠然とした妄想を現実にするために頑張っていかないといけないことがいっぱいあって。その感覚を忘れないうちに1冊にまとめておきたかったんです。

 あのときどんな感情と向き合って、どうやってヒリヒリする場面をくぐり抜けてきたのか? そしてその先に何があったのか、と。これからもいろんな挑戦をしていく上で、どんなことがあっても、いつでも原点に戻れる場所を作ろうと。そのために書いたエッセイなんです」

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