「マルチタレント」と呼ばないで ファーストサマーウイカを悩ませる“肩書き問題”

トラックドライバーのシングルマザーを演じるファーストサマーウイカ【写真:(C)「私のエレガンス」製作委員会2022】
トラックドライバーのシングルマザーを演じるファーストサマーウイカ【写真:(C)「私のエレガンス」製作委員会2022】

「遠回りしたけど成功した」ウイカの芸能人生 大切なのは「ぶれる準備」

 これまでも、強運の積み重ねで芸能界の荒波を乗り越えてきたと言う。「人との縁が重なり合って、チャンスになっている。だから全部ラッキーなんですよね。本当に才能があればもっと早く売れていると思う(笑)。もっと早く世の中に見つかって、スターダムを10代半ばで駆け上がっているはず。そういう人間ではないのに、主演させてもらえるなんて、宝くじに当たるよりもすごい確率。そういう意味では、遠回りはしましたけど、“成功した”という感じはあります」。

 今回、ウイカが演じるのはトラックドライバーのシングルマザー・薬師寺桃子。娘のために“エレガンス”な女性を目指すという役どころだ。ウイカは“エレガンス”な人物について、「自分があること」だと考えている。そして、ウイカにとって「自分があること」とは「ぶれる準備をしていること」だと言う。

「ぶれない人生やぶれない人に憧れたりもしますが、別にぶれてもいいと思うし、自分はぶれさせてきた人生なんです。学校をやめて劇団に入ったり、突然アイドルになったり、軸とか全然なくて。人から見たらぶれぶれだと思うんです。『何がやりたいの?』って」。

 実際、SNSなどで「何をしている人なのかわからない」と書かれることも多いそうだ。「確かに、見る人によっては何の人かわからないだろうなとも思うんですよね。ただ、自分の中には軸があって。例えば、一瞬でチャンスにしがみつける準備をしておくとか、面白そうなものに対しての嗅覚を持ち続けるとか、自分としてはぶれる準備をしています。それが、信念に近い。人から見たらぶれていると思われるかもしれないけど、自分の中に自分があるということがエレガンスだと実感しましたね」。

 ぶれる準備をし続けることが自分の信念。これまでの人生の分岐点でも、頑固にならず面白い方に素直に“ぶれて”きたからこそ、様々な縁を呼び、チャンスをつむぎ、つかみ取ってきた。肩書きを持たず、何にでもなれる表現者・ファーストサマーウイカが成功している理由を垣間見た気がした。

□ファーストサマーウイカ
1990年6月4日、大阪府出身。2013年アイドルグループ「BiS」に加入しメジャーデビュー以降、音楽活動と並行してバラエティー、ドラマ、ラジオなど多岐にわたり活躍中。布袋寅泰がプロデュースした本作の主題歌「Open the Door」が4月2日にリリースされた。

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