「ドライブ・マイ・カー」アカデミー賞2冠なるか 国際長編映画賞は確実 脚色賞も

主演男優賞はウィル・スミスで決まり、主演女優賞はジェシカ・チャステインが確実

【主演男優賞】
ハヴィエル・バルデム(愛すべき夫妻の秘密)
〇ベネディクト・カンバーバッチ(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
△アンドリュー・ガーフィールド(tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!)
◎ウィル・スミス(ドリームプラン)
デンゼル・ワシントン(マクベス)

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「ドリームプラン」(公開中)のウィル・スミスで決まり。ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげたテニス未経験の父親を好演。SAGアワード(映画俳優組合賞)主演男優賞を受賞し、王手状態。スミスは「ALI アリ」(01年)、「幸せのちから」(06年)でも候補になっており、三度目の正直なるか。カンバーバッチは「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(14)に続く2度目のノミネート。「tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!」のアンドリュー・ガーフィールドは大ヒットミュージカル「RENT レント」の作曲家ジョナサン・ラーソンの下積み時代を演じ、胸を打つ。

【主演女優賞】
◎ジェシカ・チャステイン(タミー・フェイの瞳)
△オリヴィア・コールマン(ロスト・ドーター)
ペネロペ・クルス(Parallel Mothers)
○ニコール・キッドマン(愛すべき夫妻の秘密)
クリステン・スチュワート(スペンサー ダイアナの決意)

「タミー・フェイの瞳」(Disney+ほかで配信中)のジェシカ・チャステインの受賞が固い。こちらもSAGアワード主演女優賞を受賞し、俳優からの支持が高い。映画は、1970~80年代に活躍したテレビ伝道師ジム・ベイカー(アンドリュー・ガーフィールド)とタミー・フェイ夫婦の栄光と凋落をタミーの視点から描く。メイクアップの力も借りて、美人だった10代から独特なド派手メイクの中年まで恐るべき変化ぶりを見せる。「愛すべき夫妻の秘密」(アマゾンプライムビデオで配信中)は1950年代の人気テレビドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」の舞台裏。主演ルーシー役のルシル・ボール(キッドマン)に共産党員の嫌疑がかかり、夫デジ・アーナズ(ハヴィエル・バルデム)との間にも夫婦の危機が訪れる……。キッドマンにはルシル・ボールの雰囲気が出ているが、受賞には手が届かないと見た。

 今年のオスカーは劇場公開中、配信会社の作品も多い印象だ。特にNetflixは短編ドキュメンタリー、長編アニメ、短編アニメ部門にも候補作があり、計10作品が見られる。個人的なイチオシ「コーダ あいのうた」も海外ではapple TVで見られる。「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞、脚色賞の二つを取ってくれたら、と祈っている。

(おわり)

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