「情熱大陸」で話題 “世界のHARA”のワイルドすぎる幼少期「へその緒切ったのは父」

マジックはすべて独学で学んだというHARA【写真:荒川祐史】
マジックはすべて独学で学んだというHARA【写真:荒川祐史】

マジックはすべて独学「言葉の壁がないので、世界中どこに行っても、喜んでもらえる」

 それからは夢年表を作った。「小3の時にこういうマジックやって、小5、中1でこうなっている。18歳の時に世界大会で優勝して、映画化されたらいいな、と。実家に帰ったら、そのノートが出てきて、読み返したら、ほとんど叶っている。夢を紙に書いておくと、叶うという話はうっすら知っていると思うんですけど、実行する人は100人いて、何人いるかいないか。でも、紙に書いて貼っておくと、努力した覚えもないのに、勝手に変わっていくものなんです」。

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 今は80歳で死ぬまでの新年表も作成している。「自分が死ぬ瞬間をイメージして、走馬灯を1回見るみたいなことをやっているんです。もっと家族と時間を過ごせばよかったとか、もっと斬新なマジックを考えておけばよかったとか。無意識から出てきたことを紙に書いて、1個ずつ潰すようにしています。死んだときに後悔しないように、死ぬ間際の自分と対話するみたいな感じですね。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスさんも同じようなことをやっているそうです」。

 マジックはすべて独学で学んだ。「テレビのマジックをビデオに録画してもらって、コマ送りで見たり、逆再生したりしてみたんです。3%ぐらいは分かることもあって、道具を自分で作って、バスの中で練習して、学校で披露するみたいな感じ。Mr.マリックさんは何度もお会いしていますが、最初、上海のフェスティバルでお会いした時はオーラが出すぎて、怖かった。あの方は本当に超能力があるんじゃないか、と思うくらいです」。

 夢を次々と叶えてきた華々しい人生だが、挫折はなかったのか。

「根暗なんで、挫折はしょっちゅうですよ。今はコロナ禍で思うようにショーもできないですし。一番大きいのは(三重県の)木本高校時代にアメリカの大会に行った時。周りからは絶対勝てるわけない、とバカにされたんですけど、負けず嫌いだから、絶対に結果を残すと意気込んで行ったんです。結果、技術点満点、表現力0点。すごくショックでした。学校のやんちゃな友達にはバカにされるし、テストをすっ飛ばしていったので、二学期の通信簿はオール1。お母さんは先生に呼び出されて泣いているし、へこみましたね。でも、これをネタに本が書ける日が来る、と思ってやってきたんです」

 奈良の山奥から世界の舞台へ。その夢はさらに広がっている。「マジックは言葉の壁がないので、世界中どこに行っても、喜んでもらえるんです。今、世界中のどこに目隠しで落とされても、路上で財をなして戻ってこられる自信があります。今は混沌とした時代で、夢を抱けない子供がすごい多いと聞いていますが、本には、そういう子たちも、どうやったら日々ワクワクできるのかというエッセンスが詰まっています」と世界のHARA。目下の夢は3年以内に宇宙空間で無重力マジックを披露することだ。

□HARA(はら)1990年4月16日、奈良県出身。2009年、ラスベガスで開催されたマジックの世界大会「World Magic Seminar Teens contest」で日本人初のグランプリ受賞。その軌跡を追ったドキュメンタリー映画「Make Believe」はロサンゼルス国際映画祭でグランプリを受賞。ハリウッドマジックキャッスルで開催された「Future Stars Week」に日本人として初出演。19年、マジック界のアカデミー賞「マーリン・アワード」では最も独創性あるパフォーマンスを行うイリュージョニストに与えられる“Most creative illusionist”を日本人として初受賞した。

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