立川志の輔、創作落語「大河への道」が映画化 中井貴一「師匠の偉業を後世に残せたら」
俳優の中井貴一、落語家の立川志の輔が1日、都内で行われた映画「大河への道」(5月20日公開)完成披露試写会に出席した。
大河ドラマ制作に奮闘する喜劇と、日本地図完成の裏側を追う時代劇が交差する
俳優の中井貴一、落語家の立川志の輔が1日、都内で行われた映画「大河への道」(5月20日公開)完成披露試写会に出席した。
原作は立川の新作落語「大河への道-伊能忠敬物語-」。2011年に初演されて以降、繰り返し上演されてきたこの作品に中井が惚れ込み、5年前に立川に映画化を直談判した。映画は2つのドラマで構成されており、伊能忠敬を主人公とした大河ドラマ制作を実現すべく奮闘する人々を描く喜劇と、200年前の江戸を舞台とした日本地図完成の裏側を追う時代劇が交差するように展開していく。
自身が考案した落語が映画となり、立川は「こんなにも面白い話、すばらしいエンターテインメントに変わった瞬間を味あわせていただけて中井さんに感謝でいっぱい。見事に時代考証を含めてきちんとした映画になるんだと味わった」と感慨だった。
映画化のきっかけとなったのは、中井が立川の落語「大河への道」を聴きたいとリクエストしたことから。公演で披露する機会がなかったため、DVDを渡したという。立川は「後日電話があって『映画にしたい』と言われたときは、これが中井さんの褒め言葉なんだ、と。でも何度聞いても映画にしたいとおっしゃって、DVDを貸してよかったなって。貸していなかったら今日はないんですから。よく乗り越えた、自分で自分を褒めている」と“運命”を引き寄せて満足げだった。
一方、中井は「大河の道」と聞いて「中国や黄河、長江に向かっていく日本人がいろんな文明に出会う落語だと思っていた」と苦笑い。提供されたDVDを見て「こっちの大河か!」と勘違いに気づいたという。
企画から映画披露まで5年の年月がかかり、中井は「ようやくお見せできる」とにっこり。「伊能忠敬さんは偉人だし、これから大河(ドラマ)になる人だと思うけど、僕は師匠の偉業を後世に残せたらいいと思って映画化したんです」と作品への思いを語った。
この日、映画主題歌は玉置浩二が歌う「星路(みち)」に決定したことが発表。本作のため玉置が書き下ろした楽曲で、中井は「いい歌なんですよ。オープニングから流したいくらい。玉置さんには心から感謝しています」とコメントした。